生命力を高める生活~腸内フローラ・酵素・ミトコンドリア~

主に腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアで生命力を高める方法について書いています。

アマニ油とオリゴ糖は生命力を高めるのに効果的

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回の記事はアマニ油とオリゴ糖の組み合わせが、生命力を高めるのに効果的な理由についてです。

アマニ油とオリゴ糖

前回の記事では、腸内フローラの改善に加え、砂糖や人工甘味料を極力控えるようにする「糖質制限」も、うつの症状を緩和・予防するためには必要になってくるということについて述べました。

そしてそのことに関連してオススメしたいのは、日頃使っている砂糖をオリゴ糖に替えてみることです。

なぜなら、以前の記事で書きましたが、オリゴ糖ビフィズス菌を増やして腸内フローラを改善するのに効果的だからです。

またオリゴ糖は血糖値をそれほど上げないとされているため、血糖値をコントロールするためにもオリゴ糖は有効なのです。

一方、砂糖は血糖値を乱高下させ、低血糖症によって、うつだけではなく、イライラや混乱、集中力の欠如など、不安定な精神状態をひき起こすとされています(参考 生田哲『砂糖をやめればうつにならない』 詳しくは前回の記事を参照してください)。

そのため、「砂糖が体に悪いのは分かるけど、コーヒーなどを飲む際に、どうしても甘味が欲しい」という方に、オリゴ糖はオススメなのです。

オリゴ糖

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サラダ油をやめて亜麻仁油を摂ることも、生命力を高めるために大切

砂糖代わりにオリゴ糖を使ってみることに加えて、もうひとつ、からだにとってプラスになるのは、サラダ油をやめて亜麻仁(アマニ)油に替えてみることです。

なぜならサラダ油も、砂糖と同様、からだや脳に良い影響はほとんど与えないと考えられるからです。

サラダ油はファストフードや加工食品、冷凍食品などに大量に使われていますが、例えば、サラダ油に含まれるリノール酸トランス脂肪酸は、アレルギーの原因になったり、活性酸素を生み出して老化を促す原因になったりすると言われています。

また、脳の神経細胞を酸化によってサビつかせたり、神経細胞同士のスムーズな情報伝達を妨げたりすると言います。

特にサラダ油に含まれる脂肪酸である「リノール酸」は、高温で加熱すると「ヒドロキシノネナール」という毒性の物質を大量に生み出してしまいます。

脳科学専門医の山嶋哲盛氏によれば、この「ヒドロキシノネナール」は神経細胞を守っているリソソーム膜を劣化させ、最終的に死滅に追い込んでしまうと言います。

詳しくは↓の記事を参照してください。

30ninchishouyobou.hatenablog.com

亜麻仁油のオメガ3が身体にとって必要不可欠な理由

一方、亜麻仁(アマニ)油は、脂肪酸の50%以上が「α‐リノレン酸」で占められています。この「α‐リノレン酸」はオメガ3脂肪酸の一種であり、約1~2割がDHAEPAに変換されると言われています。

DHAは脳の神経細胞の細胞膜をみずみずしく柔らかいものに保ちますし、EPAはアレルギー症状の抑制に効果的だとされています。

他にも、オメガ3脂肪酸DHAEPA・α‐リノレン酸)には、動脈硬化を抑制する働きなど、からだに良い影響を与える様々な効果効能があります。

つまり、オメガ3脂肪酸はからだにとって必要不可欠なのです。

しかし、このオメガ3脂肪酸が主に青魚に多く含まれているという理由から、年々、摂取量は減っており、代わりにリノール酸(オメガ6)ばかりを知らないうちにたくさん摂ってしまっている現状があるのです。

ちなみに「オメガ3」と「オメガ6」は、どちらも体内で作られない必須脂肪酸ですが、「オメガ3」と「オメガ6」のバランスは「1:1」もしくは「1:2」が望ましいとされています。

しかし、先程も述べたように、オメガ3が普段の食事ではなかなか摂れないうえ、ファストフードや加工食品ばかりを摂ってしまうことで、著しくこのバランスから遠ざかってしまうのです。

そのため、オメガ3を積極的に摂取してオメガ3とオメガ6のバランスを改善するためには、サラダ油をやめて亜麻仁油を摂るようにすることが、非常に効果的だと言えるのです。

亜麻仁油

亜麻仁(アマニ)油

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砂糖や人工甘味料をやめる糖質制限がうつを予防・緩和する理由とは?

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べています。

前回の記事では腸内フローラの改善がうつの症状を予防・緩和するということについて述べましたが、それに加えて、砂糖や人工甘味料を極力控えるようにする「糖質制限」も、うつの症状を緩和・予防するためには必要になってきます。

「うつ」を考える時、なぜ砂糖や人工甘味料が問題になるのかといえば、これらの糖質は血糖値を乱高下させ、不安定にさせるからです。

 

  血糖値をうまくコントロールできない状況、言い換えれば、血糖値の上がり下がりが激しい状況を血糖代謝異常(低血糖症)と呼んでいる。血糖代謝異常のおもな症状は、朝起きられない、強い疲労感、気分の落ち込み(うつ症状)、気分のコントロールがきかない、集中力の欠如、物忘れがひどい、イライラ、突然の怒り(キレる)、めまい、ふらつき、悪夢、夢遊病、眠っている間に話す、不安、恐れ、震えなどである。(生田哲『食べ物を変えれば脳が変わる』p120

 

さらに薬学博士の生田哲氏は『砂糖をやめればうつにならない』の中で、以下のように述べています。

 

 砂糖や砂糖のように高度に精製されたカーボは、脳内の伝達物質に働きかけるばかりでなく、血糖に大きな影響をおよぼします。甘いものを食べると伝達物質レベ ルと血糖がいっしょに上がり、一時的な陶酔感や快感が得られますが、つぎに、両方とも下がります。こうして気分が落ち込み、元気がなくなります。これがうつです。(生田哲『砂糖をやめればうつにならない』p103

 だからといって、甘いものを食べたすべての人がうつになるわけではありません。血糖の低下によってうつになるのは限られた人なのです。ある人は砂糖にとても 敏感で、わずかの砂糖を摂取するだけで気分が大きく変動します。砂糖にとても敏感な人が砂糖を食べると、低血糖になります。低血糖は、マイナス感情、短気、不安、恐れ、うつを引き起こします。さらに血糖が下がると、ある人は、世を悲観して自殺を考えるようになります。(生田哲『砂糖をやめればうつにならない』p103

 

砂糖をやめればうつにならない

低血糖」がうつを引き起こす理由とは?

生田哲氏は『砂糖をやめればうつにならない』のなかで、「低血糖は、マイナス感情、短期、不安、恐れ、うつを引き起こします」と述べていますが、実はこの低血糖「うつ」の一つの原因であるという説については、『「うつ」は食べ物が原因だった!』の著者、溝口徹氏も、以下のように述べており、非常に興味深いと思われます。

 

 ただし、低血糖症というのは、血糖値が低くなることだけが問題になるのではない。上がったり下がったりを繰り返したり、低い値で推移していくという状態もある。インスリンの分泌が正常なかたちから著しく逸脱する人もいるなど、人によってあらわれ方はさまざまだが、一日を通して、安定した血糖値を維持することが困難になることによって、身体や心に起こってくるさまざまな症状が、問題になる病気なのである。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p111~112

 

 血糖値の安定が維持できないと、当然、脳に送られるブドウ糖も安定しない。脳にとっては一大事だ。そこで、血糖値が上がればインスリンが放出されるように、血糖値が下がりすぎれば、それに対応してさまざまなホルモンが動く。血糖値が下げるホルモンはインスリン一種類しかないが、上げるホルモンは多数存在していて、それらがさかんに働き出すわけだ。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p112

 

 どういったホルモンが優位に出てくるかで、あらわれる症状は違うが、集中力がなくなったり、イライラや不安感が増したり、人によっては眠気をもよおしたり、手のしびれや動悸、頭痛を感じたり、筋肉がこわばったり……など、まさにうつと診断される症状が起こってくるのである。これが低血糖症である。(「うつ」は食べ物が原因だった!』p112~113

糖質制限と腸内フローラの改善がうつの症状を予防・緩和する

このように、白砂糖や人工甘味料などの糖質が、なぜいけないのかといえば、先程も述べたように、血糖値が乱高下することにより、精神的に不安定な状態をひき起こすからなのです。

そのため、うつの症状を予防したり緩和したりするために重要になってくるのは、血糖値を安定させるような糖質の摂り方だと考えられます。

特に生田哲氏は依存性が強い砂糖は「うつ、イライラ、不安、凶暴性といった脳への悪影響のほか、肥満、ニキビ、皮膚の老化などを引き起こ」すとして警鐘を鳴らしています。

また安価で使いやすいため、清涼飲料水などに多く含まれているブドウ糖果糖液糖は砂糖以上に健康に悪いとしています。

ところで、前回の記事では腸内フローラの改善がうつの症状を予防・緩和するということについて述べましたが、その理由は「腸脳相関」という言葉が示す通り、幸福ホルモン「セロトニン」の産生をはじめ、腸内フローラの状態と脳の健康は深くつながっていると考えられるからです。

そして、腸内フローラの改善と共に、砂糖やブドウ糖果糖液糖などを出来る範囲で避ける「糖質制限」を行っていくことも、うつの症状を予防・緩和するのに効果的だと考えられます。

また以前の記事で述べましたが、糖質制限はミトコンドリアを増やしたり元気にしたりするためにも有効です。

以上が、「砂糖や人工甘味料をやめる糖質制限がうつを予防・緩和する理由」についてですが、もちろん、この記事で「うつ」の原因の全てが「砂糖」や「腸内環境の悪化」であると主張したいのではありません。

ただ、私自身は、「うつ」の予防や症状緩和を考えていく際には、「カウンセリング」などによって心の領域にアプローチしていく他にも、これからは「糖質制限」や「腸内フローラの改善」といった視点を持ってみることも、大事だと思うのです。

 

腸内フローラ改善がうつを予防・緩和する理由とは?

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は「腸内フローラ改善がうつを予防・緩和する理由」について述べていきたいと思います。

では、なぜ腸内フローラ改善がうつの症状を予防・緩和するのでしょうか?

腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善することが、うつの予防や緩和につながる理由としては、脳内の神経伝達物質であり、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」のほとんどが腸で作られていることが挙げられます。

一般的にうつの症状にはセロトニン不足が関係していると言われていますが、実はこのセロトニンとは、もともと腸内細菌間の伝達物質であり、その約90%が腸内に存在しているのです。

例えば、医学博士の藤田紘一郎氏は『脳はバカ、腸はかしこい』のなかで以下のように述べています。

 

 最近私は、腸内環境の悪化がうつ病や不安神経症を促している可能性を示唆する研究結果を発表しました。脳の健康は腸の健康であると同時に、腸の健康は脳の健康であると考えられるようになったのです。幸せ物質であるセロトニンが90%腸に存在していることは何度も述べました。腸内に危険な物質が入ってくると、腸内のセロトニンが働いて脳に危険な物質を胃から吐き出せと命令を出させると同時に、脳を介せず下痢という手段で体内から危険な物質を排泄しようとします。

 このように腸から指令がなくても、独自のネットワークによって命令を発信する機能を持っているのは、臓器の中でも腸だけです。腸のセロトニンの働きが心の健康にも重要な影響を与えているということです。(藤田紘一郎『脳はバカ、腸はかしこい』p82)

 

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腸で作られたセロトニンはそのまま脳で使われるというわけではありませんが、セロトニンの前駆物質は腸から脳に送られるとされています。また、腸内フローラの状態が脳のセロトニンドーパミンの濃度に関係してくると言われています。

ちなみに脳内におけるセロトニンは、

 

トリプトファン必須アミノ酸)  ⇒  5HTP ⇒ セロトニン

 

という順番で合成されるのですが、その際に必要になるビタミンB6、ナイアシンといったビタミンB群を作るのは腸内細菌です。

そのため、腸内細菌がきちんと元気に働けるよう、腸内環境を日頃から整えていくことは、セロトニンの合成のために大切なのです。

腸内フローラが生み出す「短鎖脂肪酸」も、うつの予防と症状緩和に期待

また、腸内フローラが「発酵」によって生み出す「短鎖脂肪酸」も、うつの症状に対して効果を発揮するかもしれないとして、期待が持たれています。

 

 有用菌によって産生される短鎖脂肪酸の中でも、特に酪酸には、抗うつ作用や認知機能改善作用があるようで、盛んに研究されているようです。こういった基礎研究は、消化管環境を改善し、有用菌を増加させるライフスタイルが、ストレスに強い、うつになりにくい、認知機能を維持する機能につながる可能性を示すものであり、大変興味深い点です。(内藤裕二『消化管は泣いています』p179

 

医学博士胃の内藤裕二氏が『消化管は泣いています』のなかで述べているように、短鎖脂肪酸のうちの酪酸には、ストレスに強くなったり、うつを予防したりする作用があるそうなのです。

さらに内藤裕二氏は、腸から脳への関わりである「腸脳相関」には、

 

有用菌の増加→短鎖脂肪酸の増加→クロム親和性細胞刺激→セロトニン産生→幸せ感

 

といった経路が存在するということを、カリフォルニア工科大学のマウスを使ったセロトニン濃度の実験から見出しています。

そのため、腸内フローラの改善を普段から行っていくことは、うつの症状を緩和したり予防したりするのに効果的だと言えるのです。

もちろん、うつの症状が起こる原因は全て腸内環境の悪化にあると述べたいわけではありませんが、少しでもつらいうつの症状を緩和するために、日頃から私たちの体内の「腸」や「腸内細菌」に目を向けてみることは必要であるように感じます。

空腹がミトコンドリアを増やすのに効果的な理由

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、この記事では「空腹がミトコンドリアを増やすのに効果的な理由」について述べてみたいと思います。

ミトコンドリアと空腹の関係については、日本医科大学教授の太田成男氏が、ミトコンドリアを増やすためには空腹を感じることが大事であると、『体が若くなる技術』のなかで述べていましたが、どうやらそのことには「グレリン」と呼ばれるホルモンが深く関わっているようなのです。

 

このことを知ることになったきっかけは、内分泌学が専門の伊藤裕氏の著作である『なんでもホルモン』を読んでいた時です。そのミトコンドリアグレリンについて書かれているくだりをここで引用してみます。

 

 生きるためのエネルギー源であるATPは、細胞の中に存在するミトコンドリアで作られます(略)。ミトコンドリアは、すべての臓器の細胞にあり、栄養分である糖分、脂肪分を使って、酸素の力でたくさんのATPを生み出します。ミトコンドリアの力が落ちてくることが、老化そのものであると私は考えています。逆にミトコンドリアを元気にすれば、我々はイキイキ生きられるはずです。(伊藤裕『なんでもホルモン』p234~235)

 

 我々は、グレリンミトコンドリアの力を強くすることを見つけました。年を取ると筋肉のミトコンドリアが弱ってきて、持久力がなくなってきます。年老いたマウスに我々がグレリンを投与したところ、筋肉の中のミトコンドリアが増えて、持久力が回復しました。また、腎臓が弱ったマウスにグレリンを与えたところ、蛋白尿が減って腎機能が回復しました。(伊藤裕『なんでもホルモン』p235

 

 ミトコンドリアを強くするグレリンは、空腹の時にたくさん分泌されます。また、おなかが空いているときに食べたものは美味しく感じられます。手持ち無沙汰、他に何もすることがない、という時間つぶしのため、あるいはストレスがたまるから食べ続けるというのは、決して美味しく楽しんで食べているわけではありません。

 「おなかが空いた」と思える時間を持つようにしようとすると、自然に食べる量を減らすことになります。そして、食事の時間が来ると、楽しく食べることができるようになります。そんなとき、我々の元気の素、ATPを作ってくるミトコンドリアを強くするグレリンもたくさん分泌されます。(伊藤裕『なんでもホルモン』p241

 

なんでもホルモン

ミトコンドリアを増やし、強くしてくれる空腹力

ちなみに「グレリン」は、空腹で体内のエネルギーが不足しがちな時に、エネルギーの補充を促すため分泌されるホルモンであると言われています。

伊藤裕氏によれば、空腹で「お腹が空いた」と思う時間が増えると、グレリンがたくさん分泌され、ミトコンドリアが強くなるそうなのです。

 

また、年老いたマウスにグレリンを投与したところ、筋肉の中のミトコンドリアが増えて、持久力が回復したと言いますから、ミトコンドリアを増やすのにも空腹感は大切になってくると考えられます。

したがって、ミトコンドリアで生命力を高めるという観点から考えると、いつも満腹である状態や飽食はあまり良くないと言えそうです。反対に、ミトコンドリアを強くしたり増やしたりするためには、意識的に空腹力を感じることが大切であると思われます。

ビタミンCがストレスに打ち勝つために必要な理由とは?

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回の記事では「ビタミンCがストレスに打ち勝つために必要な理由」もしくは「ビタミンCがストレス社会を生き抜くために必要なわけ」について述べてみたいと思います。

 

ビタミンCがストレス社会を生き抜くために必要なわけ

 

「ビタミン」というと、ビタミンAやビタミンEよりも、真っ先に「ビタミンC」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

この「ビタミンC」がなぜ、「ストレス」に打ち克ち、ストレスフルな現代社会を生き抜くことと関係しているのでしょうか?

 

その理由はビタミンCは、「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」といった抗ストレスホルモンの合成に関わっているからです。

怒りを感じたり、危険を察知してドキドキしたりする時によく出るとされる「アドレナリン」の名前はよく耳にすると思いますが、この「アドレナリン」は、ストレスを感じる度に分泌されるのです。

 

このアドレナリンには、交感神経系を刺激し、血圧や心拍数、血糖値を上昇させたり、精神を興奮させて筋肉を増強し、運動能力を高めたりする作用があります。

 

つまり「アドレナリン」は生物が脅威に直面した際に、「闘争」や「逃走」といった危険回避のために分泌されるホルモンだと考えられるのです。

また「ノルアドレナリン」は「アドレナリン」の前駆物質です。この「ノルアドレナリン」もやる気や集中力に関わってきます。

ビタミンCの摂取はストレスを感じることが多い人こそ必要

その「ノルアドレナリン」は、報酬系に関わる神経伝達物質ドーパミン」から作られるのですが、合成の際に必要になるのが「ビタミンC」と銅なのです。

そのため、ストレスを感じることが多い方は、その度にアドレナリンが分泌されるため、ビタミンCが不足しがちになるのです。

またビタミンCの不足によって「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」が作られにくくなると、やる気や集中力が低下してしまうため、「うつ」などの症状も起こりやすくなると言われています。

 

ノルアドレナリン」と「アドレナリン」は増えすぎると自己を制御することが難しくなるとされているため、闇雲に分泌量を増やせばよいというわけではありませんが、ストレスに負けない生活を送るためには、きちんと適量が分泌されることが大切です。

 

ストレスで目減りするビタミンCは体内では作られない

したがって、ストレスを感じることが多い人ほど、ビタミンCを多く摂らなければならないのですが、残念なことにビタミンCはヒトの体内では作られないのです。ちなみに私たちの腸内において腸内フローラを構成している腸内細菌も、ビタミンB群は作れるのですが、ビタミンCは作ることが出来ません。

 

そのため、ストレス過多だと感じた場合、生命力を低下させないためにも、こまめにビタミンCを補給することをおすすめします。

 

これらストレスとビタミンCのことに関して、溝口徹氏は『「うつ」は食べ物が原因だった!』のなかで、「ストレス社会の救世主・ビタミンC」として、以下のように述べています。

 

 心的に受けるストレス、環境から受けるストレスなど、どのようなケースでも、ストレスを受けていることは、栄養素が消耗されているのだということにほかならないが、案外それを意識していない人が多いのではないか。ストレス社会といわれる現代においては、日々社会生活を送るなかで栄養素がどんどん目減りしてしまうのである。

 しかし、そのようなストレスに対し、対抗するための栄養素もある。その筆頭にあげられるのは、(略)ビタミンCだ。

 

 イチゴを一日に8個食べれば、必要なビタミンCが摂れる、などと最近ではいわれているようだが、日常的にストレスを受けていれば、当然そんな量ではまかないきれない。

 では、どのようにして摂るべきか。ビタミンCは水溶性で、身体に蓄積されない、つまり、どれほど多く摂っても、尿として排泄されてしまうから、多量のビタミンCを摂っても意味はない、と考えている人は多い。

 

 しかしじつは、ビタミンCは体内の臓器によっては高濃度に含まれており、必要量が増えたときのために貯蔵されているのである。その機能を担っている臓器のひとつが副腎である。副腎では、かなりの高濃度でビタミンCをため込んでおくことができる。ストレスをはね返すホルモンをつくり出す副腎は、ビタミンCを待ち望んでいる。このストレス社会に打ち克つためには、身体にビタミンCをつぎ込む努力を惜しまないでいただきたい。(溝口徹『「うつ」は食べ物が原因だった!』p163~164)

 

ビタミンCの効果的な摂取はサプリメントかL-アスコルビン酸

また、溝口氏はビタミンCを摂るポイントとして、「一度にビタミンCを摂るのではなく、回数を増やして摂ることだ」と述べています。

このようにビタミンCは副腎に溜め込むことができるそうなので、ビタミンCを普段から摂るようにすることは、生命力を高めてストレス社会を生き抜くために有効なのです。

それに加え、ビタミンCの摂取は副腎疲労の改善にも必要です。

 

ちなみに、ストレス対策のためにビタミンCを効果的に摂取するには、粉末のかたちで売られているL-アスコルビン酸がおすすめです。

 

アスコルビン酸

 

こちらを水や飲料などに溶かして飲むことは、ビタミンCの補給方法として効果的です。

 

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糖質制限がミトコンドリアとアンチエイジングに効果的な理由

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は糖質制限ミトコンドリアアンチエイジングに効果的な理由について書いていきたいと思います。

近年ダイエットや美容のために流行るようになった「糖質制限」については、賛否両論がありますが、ミトコンドリアで生命力を高めるという観点から考えると、糖質の摂りすぎは良くないと言えそうです。

その理由は、ミトコンドリアは糖質よりも主に酸素によって「ATP」と呼ばれるエネルギー物質を生み出すからです。

そのため、ミトコンドリアはどうやら糖質が増えすぎるのを好まないようなのです。

このことについて、日置正人氏は『ミトコンドリア不老術』のなかで、以下のように述べています。

 

 酵母菌の培養実験によると、栄養素としてのブドウ糖が少なく、酸素が豊富な条件下で培養すると、ミトコンドリアが増えることが確認されています。全く逆にブドウ糖が多く酸素が少ない条件下で培養すると、ミトコンドリアが退化してしまうという結果です。ブドウ糖が少なく酸素が豊富な条件とは、まさしくミトコンドリアの出番といえます。ブドウ糖が少ないということはいわば飢えの状態です。(日置正人『ミトコンドリア不老術』p92

 

このように、酵母の培養実験では、ブドウ糖が少ない環境のほうが、ミトコンドリアは増えるというのです。

カロリー制限がアンチエイジングに効果的な理由

また、日置正人氏は「私の考える老化の仕組みは「ミトコンドリアの機能低下と数の低下によるエネルギー不足」と考えています。」としたうえで、以下のように述べています。

 カロリー制限はミトコンドリアの機能や数を増やすという意味でエネルギー不足を解消します。カロリー制限がエネルギー不足を解消するという言い方は少し奇異な感じがしますが、ブドウ糖が豊富な状況下では解糖系が働くためそんなに大きなエネルギーが作られません。そのような状況が続くことで、酵母菌と同じようにミトコンドリアは退化してしまう可能性があります。(日置正人『ミトコンドリア不老術』p94

 

 ブドウ糖が豊富な状況が長く続いた後、突然飢餓のようにブドウ糖が少なくなるとミトコンドリアの機能低下のために、必要なATPを作ることができない可能性があります。逆にブドウ糖が少ない状況が長く続くと、常にミトコンドリアが作動し、ミトコンドリアは強化され数も増殖するものと考えられます。

 これがミトコンドリアから見たカロリー制限がアンチエイジングにいい根拠です。

 もし、長寿遺伝子の実態が判明し、それがミトコンドリアの機能強化の遺伝子であった場合、この考え方は見事に結びつくかもしれません。実際そのような発表もされています。(日置正人『ミトコンドリア不老術』p95

 

ミトコンドリア不老術

ミトコンドリアを増やすには糖質制限が重要

つまり、ミトコンドリアを増やすには、糖質制限が大事だということになるのです。

しかし、だからといって、当ブログでは、極端な糖質制限はオススメしません。なぜなら代謝のためのエネルギーとして糖質は必要不可欠だからです。人間の体はミトコンドリア以外にも解糖エンジンによって、糖質からエネルギーが作られています。

したがって、体が必要としている分の糖質はきちんと摂るようにすることが大切だと考えます。

また、腸内細菌のエサになり、腸内フローラで生命力を高めるために必要なオリゴ糖食物繊維も、炭水化物ですので、腸の健康を保つという意味でも、「炭水化物は絶対に摂らないようにする!」といったような無茶な糖質制限は避けるべきです。

ですが、医学博士の藤田紘一郎が、『脳はバカ、腸はかしこい』のなかで、

 

 持久力を求められる中高年以降では、解糖エンジンがあまり必要でなくなってきます。解糖エンジンで産生させるエネルギーは、量が少なく持久力としては使えないからです。歳をとってくると、エネルギー系は解糖系からミトコンドリア系へと移行します。したがって、歳をとると糖を摂りすぎるのは困ります。糖を摂りすぎるとミトコンドリアエンジンの働きが弱くなるからです。 (藤田紘一郎『脳はバカ、腸はかしこい』P174

 

と述べているように、30代・40代を越えてきたら、余分な糖質(特に白砂糖や人工甘味料)を摂るのを減らしていったほうが、新陳代謝を良くして老化を防ぐ、自然に逆らわないアンチエイジングのためには効果的なのだと考えられます。

フリーラジカル対策にミトコンドリア対策が必要な理由とは?

前回の記事では、細胞の老化を促し、万病のもとにもなるフリーラジカル・活性酸素の働きを抑えるには、ポリフェノールなどの「抗酸化物質」を摂ることが大切だと述べました。

ところが、フリーラジカルの働きを抑えるためには、抗酸化物質の大量投与ではなく、まずミトコンドリアそのものの環境を改善することが重要であると、宇野克明氏は『ミトコンドリア革命』のなかで述べています。

 

 大量のフリーラジカルを発生するようになった劣化ミトコンドリアは、どれだけ抗酸化物質を与えようと姑息的な酸化の事後処理にしかならない。本来、このような劣化したミトコンドリアをもつ細胞には、その大量のフリーラジカルを危険察知の目印にして細胞死〝アポトーシス〟を導くのが本筋だ。なぜならフリーラジカルを大量に発生するようになった細胞は、もはや人体にとって危険であるからだ。

 ところが劣化した細胞に抗酸化物質を与えてしまうと、危険察知の目印となるべきフリーラジカルも中和されてしまい、アポトーシスの発動できない危険な細胞の増加を招いてしまうことになる。(宇野克明『ミトコンドリア革命』p163

 

また、宇野克明氏は「フリーラジカル・抗酸化対策の基本はその発生器官・ミトコンドリアそのものの環境を改善し、その発生を根本から防ぐという直接的な発想が必要なのである」としています。

その宇野克明氏が提示する「ミトコンドリア健康法」は以下の通りです。

 

①過度の栄養摂取を控える。

 過度の栄養はATP需要を越えた電子の漏電をまねき、フリーラジカルを増やす。

②食事のカロリー制限は朝、昼に重点を置き、夜は控えめに。

 ミトコンドリアで作られたエネルギー源ATPも活動によって処理しやすい

③寝る前の食事やアルコール摂取は控える。

 寝る前はATP需要も減り、過度の栄養は電子の漏電やフリーラジカルを増やす。

④食事の後は適度な運動も好ましい。
 運動でATP消費もスムーズとなり、電子の漏電によるフリーラジカルを防ぐ。
⑤過度の運動は控えめに。

 過度の運動はむやみに酸素消費量を増やし、フリーラジカルを大量に発生させる。

⑥むやみな抗酸化対策は行わない。

 ミトコンドリア環境改善という源流対策も行わず、フリーラジカルの警告だけを消し去るとアポトーシスが中断してしまい、発がんの原因にも。(宇野克明『ミトコンドリア革命』p142~143

 

このようにフリーラジカル活性酸素対策には、ポリフェノールやビタミンCなどの抗酸化物質をサプリメントなどを摂る前に、宇野克明氏が述べているようなミトコンドリア対策が必要なのです。

また、ミトコンドリアを増やすことも、活性酸素の害を減らし、ミトコンドリアの機能低下を防ぐために有効です。

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