生命力を高める生活~腸内フローラ・酵素・ミトコンドリア~

主に腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアで生命力を高める方法について書いています。

腸内細菌の食べ物「マック(食物繊維などの炭水化物)」が腸内の炎症を防ぐ

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べています。前回は『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』(ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ 著)を読んだ感想を述べましたが、今回はその『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』に、腸の健康について興味深いことが書いてあったので、そのことについて述べていきたいと思います。

 

前回の記事では、ソネンバーグ夫妻による『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』において食物繊維の重要性が強調されていたと述べましたが、では、食物繊維が不足した食事ばかりを行なっていると、どうなってしまうのでしょうか? そのことについて『腸科学』では以下のように書かれています。

 

食物繊維があまり体内に入ってこない時期には、腸内細菌はヒトの小腸の細胞がたえず分泌する粘液の炭水化物を食べて生きる。ご記憶のように、この粘液はヒト細胞が直接マイクロバイオータと接触しないようにはたらく防護壁だ。だから粘液の炭水化物を食べるということは、細菌が腸を守っている粘液層を食べてしまっているわけで、防御機能が衰えて炎症が起きる。小腸の粘液が減ることがヒトの健康にどのような長期的影響を与えるかはまだ知られていないものの、予備的な実験によれば小腸の粘液が失われると大腸炎になる恐れがあると考えられている。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p156

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つまり、「ヒト細胞が直接マイクロバイオータと接触しないようにはたらく防護壁」である粘液を、腸内細菌が食べてしまうそうなのです。そしてそのことによって「防御機能が衰えて炎症が起きる」というのです。

そのため、腸内の炎症を防ぐには、私たちの体内で共生している腸内細菌(マイクロバイオータ)に食べ物を与えるつもりで、食物繊維たっぷりの食事を摂ることが望ましいと考えられます。

 

 「食物繊維」という言葉は不明確なので、ヒトが体内に取りこむ食物成分のうちマイクロバイオータの食べ物になるものを、私たち二人は「マイクロバイオータが食べる炭水化物」を意味するmicrobiota accessible carbohydrates(MAC)と呼ぶ。すでに述べたように、マックは果物や野菜、豆類、穀物などさまざまな食物にふくまれ、マイクロバイオータによって発酵される炭水化物のことである。食物や食物繊維サプリメントにふくまれる食物繊維には、マイクロバイオータのいる大腸まで到達せず発酵しないものもある。これらの発酵しない繊維質も便秘の改善にはとても効果があり、排泄物が水分を吸って嵩が増すので、良好な整腸作用が得られる。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p157

 

だがマイクロバイオータに食べ物を与えて短鎖脂肪酸をつくってもらうには、やはりマックを食べる必要がある。マックをたくさん食べれば食べるほど、腸内の発酵が盛んになり、より多くの短鎖脂肪酸がつくられる。マイクロバイオータにどのマックを与えるかによって、腸内で繁殖する微生物群、マイクロバイオータを構成する細菌種の数(細菌集団の多様性)、この細菌集団が果たす機能が変わってくる。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p157) 

 

食物繊維の摂取によって腸内細菌が生み出す短鎖脂肪酸にもからだの炎症を抑える働きがあるとされていますが、腸管のバリア機能の低下によるリーキーガット症候群(腸もれ)の問題も、食物繊維の不足が深く関係しているように感じられます。

やはり、腸内細菌を元気にし、炎症性腸疾患をはじめとした病気やアレルギーなどを予防するためには、ハンバーガーなどのファストフードばかりではなく、日頃から「マイクロバイオータが食べる炭水化物」(MAC)がたっぷりの食事を摂ることが大切なのです。

 

 

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