【手作り甘酒】での発酵生活が生命力を高めるワケ。
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は、【手作り甘酒】での発酵生活が生命力を高めるワケについてです。
甘酒は腸やからだの健康のためにオススメの発酵食品です。
しかし甘酒というと、お祭りや桃の節句に飲むことはあるとしても、ほとんど毎日飲むという方は、それほど多くないのではないでしょうか?
ですが米麹で作る甘酒には、
- 腸内フローラ・腸内環境を改善する効果
- 美容・美肌を実現する効果
- エネルギー補給・疲労回復効果
をはじめとして、様々な効果効能が期待できます。
では、なぜ甘酒にはこのような効果効能が期待できるのでしょうか?
その理由としては、まず、米麹が出す数種類の酵素の働きで、甘酒に含まれるデンプンがブドウ糖に分解された状態になっているため、糖が吸収されやすく、効率よくからだと脳にエネルギーを補給することができることが挙げられます。
つまり、甘酒には、糖質がブドウ糖として吸収されやすく、細胞内のミトコンドリアが生み出すエネルギー(通貨)になりやすい性質があるのです。
そのため、毎日のエネルギー補給のために甘酒を飲むことのほか、ハードな仕事や勉強、クリエイティブな作業の合間、からだや脳の疲労回復のために、甘酒を飲むようにしてみることがお勧めです。
さらに、この発酵によって糖が吸収されやすくなっている性質は、ご飯やパン、麺類といった炭水化物と違って、胃腸の負担を減らすことにもつながっていきます。
また、せっかく糖を摂っても、ビタミンB群が不足していれば、糖は代謝のためにスムーズにエネルギーとして使われないのですが、甘酒には、米麹由来で、糖による代謝のために必要なビタミンB群も含まれています。
甘酒は腸内フローラを整える。
ほかにも、発酵食品である甘酒には、オリゴ糖や食物繊維が含まれており、ヒトにとっての善玉菌であるビフィズス菌を増やして腸内フローラのバランスを整えたり、腸内環境を改善したりする働きがあるとされています。
特に近年は、慢性的な便秘に悩まされている方が増えているといわれていますが、もし甘酒によって腸内環境が良い方向に改善されたり、代謝が良くなれば、万病のもとでもある便秘が解消される可能性も十分考えられます。
ちなみに、当ブログは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、甘酒の健康効果は、
- 腸内フローラ・・・1000種類・100兆個以上の腸内細菌の集まりのことで、私たちの健康維持のために見えないところで様々な働きをしている。その群生の様子はお花畑になぞらえて「腸内フローラ」と呼ばれている。
- 酵素・・・私たちの体内において、栄養素を分解してエネルギーを取り出し、組織や器官を作り出す「代謝」と、食べ物を分化して吸収しやすくする「消化」という、 二つの大切な役割を果たしている。
- ミトコンドリア・・・ミトコンドリアは「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれるエネルギー通貨を作り出しています。このATPをエネルギーに換えることで、人間は体温の維持や筋肉の収縮、神経活動など、ありとあらゆる生命活動を営んでいます。
の全てに関係しているのです。
そのため、人工甘味料をはじめとした食品添加物が多く含まれる加工食品を出来る範囲で減らすようにしつつ、毎日、1杯の甘酒を飲むようにすることは、健康のためにプラスに働き、生命力を高めてくれる可能性が高いと思われます。
ヨーグルトメーカーで手作り甘酒を作ってみることが生命力を高める。
もし、市販の甘酒を購入する場合は、添加物不使用のものを選んだ方が良いですし、毎回市販のものを購入することが経済的な負担になるのであれば、米麹を購入して、自分で手作りしてみると、かなり安上がりになります。
ちなみに私自身は、ヨーグルトメーカーで簡単に甘酒が作れることを知ってから、ほとんど毎日、ブログの執筆に疲れたあとなど、手作り甘酒を飲むようにしています。
そして、手作り甘酒を飲むようにしたら、便通が良くなったり、以前よりも元気になったのを実感しています。
アイリスオーヤマなどが販売するヨーグルトメーカーを使えば、ごはんとお湯と米麹をよくかき混ぜるといった下ごしらえを済ますだけで、あとはボタンひとつで、甘くて美味しい甘酒が出来上がりますので、関心がある方は、以下の記事を参照してみてください。
以上ここまで、【手作り甘酒】での発酵生活が生命力を高めるワケについて述べてきました。
- 腸内フローラ・腸内環境を改善する効果
- 美容・美肌を実現する効果
- エネルギー補給・疲労回復効果
をはじめとして、様々な健康効果が期待できる甘酒を、毎日の食生活にとりいれてみてはいかがでしょうか?
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ローヤルゼリーのデセン酸が生命力アップに注目なわけとは?
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は、ローヤルゼリーのデセン酸が生命力アップに注目なわけについてです。
前回の記事では、生ローヤルゼリーの生命力が健康維持のために注目なわけについて書きましたが、ローヤルゼリーには、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸など、はちみつと同様、様々な栄養素がバランスよく凝縮されています。
そしてなかでも注目なのは、「デセン酸」と呼ばれる脂肪酸です。
この「デセン酸」(10-ヒドロキシ-2-デセン酸)とは、ローヤルゼリー特有の成分であり、自律神経を整える働きのほか、以下のような効果・効能が期待できるとされています。
- 抗菌作用。
- 肌をきれいに保つ皮脂分泌抑制作用。
- 糖尿病の血糖値を下げるインスリン様作用。
- 高血圧の降下をもたらすアンジオテンシン転換酵素阻害作用。
- 動脈硬化の原因となる血中コレステロールの低下作用。
- ガンを抑制する抗腫瘍作用。
(『ロイヤルゼリー小事典』 現代書林より抜粋)
特にデセン酸に期待できるのはガンや糖尿病への効果だとされています。
1958年に科学雑誌の「ネイチャー」に、カナダのオンタリオ大学のタウンゼント博士らのローヤルゼリーの制ガン作用の研究が報告されたことで、「デセン酸」(10-ヒドロキシ-2-デセン酸)のガンの拡がりを抑える作用が示唆されました。
また、ローヤルゼリーに含まれるデセン酸には、インシュリンの分泌を刺激して糖の代謝を助ける働きもあるとされていますので、糖尿病に対しても有効だといわれています。
そのほか、デセン酸には抗菌効果があり、特に大腸菌やサルモネラ菌といったグラム陰性菌と呼ばれるグループに対して、殺菌能力が認められるようです。
以上ここまで、ローヤルゼリーのデセン酸が生命力アップに注目なわけについて述べてきました。
ローヤルゼリーは「不老長寿の霊薬」「若返り薬」「万病に効く万能薬」とも呼ばれ、健康食材として評価が高いですが、その理由には、もしかしたら、この特有成分の「デセン酸」が関係しているのかもしれません。
なお、管理人がオススメの生ローヤルゼリーは↓↓↓です。
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生ローヤルゼリーの生命力が健康維持のために注目なわけ。
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は、生ローヤルゼリーの生命力が健康維持のために注目なわけについてです。
ローヤルゼリーは、消化にかかる負荷がほとんどなく、ほぼ全量が、そのまま速やかに無駄なく吸収され、老廃物が出ないので、女王バチは糞をしないのだという。「女王」と優雅に呼ばれつつ、実は気が遠くなりそうな重労働を背負っているのだが、群れの中でただひとりの母として、数年間をたくましく生きる。彼女が新しい細胞とそこに宿る命を、たゆみなく生み出す栄養源が、ローヤルゼリー=「はちミルク」なのだ。
(前田京子『はちみつ日和』p161)
ローヤルゼリーがもつ生命力は健康生活の実践に注目です。
ローヤルゼリーは古代ローマのアリストテレスの著書「動物誌」のなかに登場するほど、古くから知られている食材です。
また、中国では「蜂乳」と呼ばれ、漢方の世界では、ローヤルゼリーは、生薬のうち、五臓六腑を強めて自然治癒力を高める「上薬」にランク付けされています。
そのローヤルゼリーには、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸など、はちみつと同様、様々な栄養素がバランスよく凝縮されています。
さらに、ローヤルゼリーには、パントテン酸、アセチルコリン、イノシトールな、ビタミンB群、20種類のアミノ酸などが、豊富に含まれています。
なお、ローヤルゼリー特有の成分として、自律神経失調症や更年期障害に効果的なデセン酸と呼ばれる脂肪酸や、体の老化を防ぐといわれている類パロチンがあります。
ところでそもそも「ローヤルゼリー」とは、何でしょうか?
ローヤルゼリーとは働き蜂の喉頭腺から分泌されるミルク状の物質です。
より具体的には、ローヤルゼリーとは、はたらき蜂が花から採取した花粉を、体内で消化、分解、生成し、人間の唾液腺にあたる下咽頭腺と大あご腺から分泌したもののことであり、女王蜂になる幼虫に対して、成長のための食糧として与えられることから、その働きが注目されるようになりました。
そして、そのローヤルゼリーには、以下のような健康効果が期待できるとされています。
- 免疫力を高める効果
- 抗炎症作用
- 自律神経のバランスを整える効果
- ストレスの緩和
- 疲労回復効果
- アンチエイジング効果
- 美肌効果・皮膚の老化予防
- 便秘の改善
- コレステロール値の調整
- 動脈硬化の予防
- 更年期障害の予防
このようにローヤルゼリーに多くの健康効果が期待できる理由は、ビタミンやミネラル、アミノ酸など、様々な栄養成分が共同して働くからだと考えられています。
さらに、ローヤルゼリーに含まれている、リジンやバリンをはじめとした豊富なアミノ酸は、疲労回復や体力回復に役立つといわれていますし、特有成分の類パロチンは、美容や美肌への効果が注目されています。
ローヤルゼリーに含まれる栄養素・天然成分
ビタミン類・・・ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン
パントテン酸、ナイアシン、葉酸、アセチルコリン、イノシトール
ミネラル類・・・鉄 、銅 、亜鉛 、マンガン、マグネシウム 、カルシウム
アミノ酸・・・アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、アルギニン、プロリン、チロシン、グリシン、アラニン、システイン、タウリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、オキシプロリン
必須アミノ酸・・・ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、リジン、バリン、スレオニン、ヒスチジン
特有成分・・・デセン酸、類パロチン、ピオプテリンなど
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ローヤルゼリーが免疫力を高めてくれるワケとは?
ローヤルゼリーには、ハチミツと同様、免疫力を高める効果が期待できます。
細胞実験でその効果が確認されており、特にローヤルゼリーにのみ含まれる「デセン酸」は天然の抗生物質で、強い抗菌作用を持つと言われています。
また、自律神経のバランスの乱れは、免疫力の低下につながると考えられていますが、ローヤルゼリーは、視床下部の「間脳」に働きかけることで、自律神経の司令塔を活性化してその機能を高めるといいます(参考 『ロイヤルゼリー小事典』 現代書林)。
さらに、ローヤルゼリーの基礎研究では、動脈硬化を促進するような実験食を与えられた実験動物にローヤルゼリーを投与したところ、動脈硬化が抑制されたと言いますし、糖尿病の実験動物においては、炎症が抑制されたという報告もあるようです。
私が生のローヤルゼリーをオススメするわけ。
ちなみにローヤルゼリーには、
の三種類があり、このうち生ローヤルゼリーには、
- 長期保存に向かない
- 独特の味が食べにくい
- 値段が高価
という短所がありますが、私自身はもしローヤルゼリーを健康食品として食生活に取り入れるならば、生のローヤルゼリーをオススメしたいと思います。
その理由は、大自然とミツバチの恵みであるローヤルゼリーは、ハチミツと同様、加工せずにそのまま食べたいと単純に思うからです。
生ローヤルゼリーの効果的な摂取方法・注意点
生ローヤルゼリーは、1日300~3gを標準量として摂取するのが望ましいとされています。しかし、そのまま摂取すると、特有の酸味や風味が気になって毎日続けるのが難しいと感じられるかもしれません。
その場合は、はちみつに混ぜてから摂取すると、食べやすくなります。
また、ローヤルゼリーはアレルギー反応を引き起こし、ひどい時にはアナフィラキシーに至ることもあるとされているため、何らかの食物アレルギーや喘息を患っている方が摂取する場合は、注意が必要です。
さらに、生のローヤルゼリーは変質・劣化が早いため、およそ3ヵ月以内は冷蔵で保管し、早めに食べきる必要があります。もし封を開けずに長期保管する場合は、必ず冷凍にして保存する必要があります。
以上ここまで、生ローヤルゼリーの生命力が健康維持のために注目なわけについて述べてきました。
「不老長寿の霊薬」「若返り薬」「万病に効く万能薬」とも呼ばれ、様々な栄養が凝縮されている、女王バチのためだけに作られたローヤルゼリーが気になる方は、ぜひ日頃の健康維持のためにとりいれてみてください。
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瞬間(いま)の幸せが生命力を高める。ー岸見一郎『幸福の哲学』
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智慧』(岸見一郎 著 講談社現代新書)を取り上げながら、瞬間(いま)の幸せが生命力を高める、ということについて述べていこうと思います。
「明日も幸福が持続するかどうかはわからない。どうなるかはわからないとしても、今ここで感じている幸福には意味があるのだ。」(岸見一郎『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智慧』講談社現代新書)
今よりも幸せになりたいと願う人は多いと思いますし、幸福とは何か、という問いは、これまで多くの哲学者を触発してきました。
近頃、アドラー心理学研究の第一人者であり、ベストセラー『嫌われる勇気』などの著者としても知られている岸見一郎氏の『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智慧』を読んだのですが、この『幸福の哲学』においては、「幸福」とは「なる」ものではなく、人は「何かの実現を待たなくても、成功しなくても、すでに幸福で<ある>」ということが示されています。
幸福は幸運とは違うということ、人は何かの出来事によって幸福になるのでも、不幸になるのでもないということ。すでに人は今ここで幸福である。このことは、ちょうど人の価値が生産性にではなく、生きていることにあり、今のままの自分以外の何者かにならなくてもいいことに呼応している。
幸福になる、あるいは、なれるというのは、目下、幸福ではないということである。成功や名誉、富などは幸福の条件ではなく、幸福であるためには必要ではない。それがあっても困るわけではないが、何かの実現を待たなくても、成功しなくても、すでに幸福で<ある>のであり、何かが人を幸福にするのではない。反対に、何かの出来事が人を不幸にするのではない。不幸の条件もないのである。
(同 p224)
したがって、大事なのは、どこか遠くに幸福を探しに出かけたり、ふいに幸運が訪れることを期待したりすることでもなく、生きていること自体がすでに「幸福」である、と気づくことだと思われます。
すなわち、幸福な生き方とは、過去や未来に思いを巡らすことではなく、瞬間(いま)を生きることなのです。
また、そのためには、学校や会社での自分に対する評判やSNSの「いいね!」の数など、他人による評価を気にせず、自分らしく生きることも必要になってくるのです。
なぜなら、他人に自分はどう思われているかといったようなことが気になっている限り、今ここにいるありのまま自分の(お金とは関係ない)価値に気づくことが出来ないため、幸福な生き方を実現するのは難しいように思われるからです。
岸見一郎氏はこのことに関して、
「すでに人は今ここで幸福である。このことは、ちょうど人の価値が生産性にではなく、生きていることにあり、今のままの自分以外の何者かにならなくてもいいことに呼応している。」
と述べていますが、現代社会において良い事とされる、お金持ちになるという「成功」や、SNSの「いいね!」の数ばかりに気をとられてしまうと、今ここにある幸福は遠ざかっていってしまうように思います。
どう思われるかを気にしていると、行動の自由を制限される。自分が何をしたいということよりも、人に認められることの方が重要なので、何かをするか、しないかを自分では決められなくなる。他者が自分の行動の決定権を持つことになるのである。
人が自分に対して行う評価と自分の本質にはまったく関係がない。多くの人が共通した評価を自分に下すというようなことがあった場合には、その評価をまったく無視していいというわけではないが、そういうことでなければ、他者の自分についての評価に一喜一憂する必要はない。
他者の評価によって自分の本質が決まるわけではなく、自分の価値が上下するわけでもない。だから「いやな人ね」といわれても落ち込むことはないし、「いい人ね」といわれたからといって舞い上がるのもおかしい。それらはある人の評価でしかなく、その評価によって自分の価値が決まるわけではないからだ。
つまり、無理に他人からの評価を求めたり、強迫的に社会での成功を目指したりしなくても、今ここにいる自分には、他人による評価やお金とは関係ない、本質的な価値があるのです。
もちろん、実際のところ、そうはいってもやはり他人の視線や評価が気になってしまうという方は多くいらっしゃると思います。
その場合は、たとえば1分間でも良いので、呼吸を深めながらマインドフルネス瞑想を行い、意識を過去や未来ではなく「今・ここ」に集中させ、すでにここにある「幸福」に気づく訓練をしてみてください。
実は、そのような習慣をもつことが、瞬間(いま)の幸せを感じるとともに、生命力を高めるコツでもあるのです。
嫌われることも含めて、他者の評価を恐れず、他者の評価から自由にならなければならない。誰も嫌われたくはないが、もしまわりに自分を嫌う人がいるとすれば、嫌われることは自分が自由に生きていることの証であり、自由に生きるために支払わなければならない代償であると考えなければならない。
『新・免疫革命 免疫の本質は《お掃除》にあり』の感想・書評
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『新・免疫革命 免疫の本質は《お掃除》にあり』(﨑谷博征 著 鉱脈社)という本の感想と書評を記事にしていきたいと思います。
﨑谷博征医師の<健康常識パラダイムシフトシリーズ)>は『「プーファ」フリーであなたはよみがえる! 生命場を歪ませるアルデヒド 』や、『病は「リポリシス」から 生体内核爆発リポリシス』など、どれも、これまでの健康常識を覆す非常に興味深い内容になっているのですが、今回ご紹介する崎谷医師の『新・免疫革命』で述べられているのは、タイトルの通り「免疫」についてです。
これまで、人の免疫システムというと、
- 「病原微生物を根絶する」
- 「〝自己(self)〟と〝非自己(non-self)〟を区別する」
という捉え方がなされてきましたが、﨑谷博征医師は、「免疫システムなるもの」は、「「形態形成維持(morphostasis)」のほんの一部分を切り取っただけ」に過ぎないとしています。
私たちヒトという生命体は受精卵という単一細胞から六〇兆個ともいわれる多細胞生物へと変態していきます。その過程で生命体を成り立たせる営みが「形態形成維持」です。
現代医学では近年益々複雑化している免疫システムなるものは、本編で詳述しますが、この「形態形成維持(morphostasis)」のほんの一部分を切り取っただけに過ぎません。そして、難病の原因といわれる炎症や〝免疫の暴走〟といわれる現象は、「形態形成維持」の失敗で起こる病的過程です。したがって、まずは、「形態形成維持」という生命の基本設計を根本から理解することが最重要になります。
(﨑谷博征『新・免疫革命』p4~5)
この「形態形成維持」という観点から免疫を考えると、「免疫」というものに関して、これまでと違った見方が出来るようになると思います。
環境の変化に対応して生命体の姿を形成・維持していくことを形態形成維持(morphostasis:モーフォステイシス)といいます。形態形成維持は、環境に適応して生命体の姿を発展・維持していく営みです。その形態形成維持の中心が食作用(ゴミ処理)なのです。
(﨑谷博征『新・免疫革命』p82)
現在の免疫に関する治療は、自己組織に反応するリンパ球にダメージを与えたり、炎症のシグナルをブロックしたりするものが主体です。これは、暴走した免疫システムを実体(entity)のある異物のように捉える現代医学の過ち(単純な因果関係に落とし込む線形思考)から由来しています。ガンに対する治療もまったく同じです。
(﨑谷博征『新・免疫革命』p194)
あらゆる慢性病に免疫システム(本当は形態形成維持システムと呼ぶ方がよい)の異常が絡んでいますが、この問題も生命場に焦点を移さないと本質が見えてきません。免疫細胞が作用している生命場を落ち着かせれば、形態形成維持に向かって免疫細胞が働きだします。生命場を落ち着かせ、エネルギー代謝を回すことで、根本原因のみならず、症状を悪化させている暴徒たちも鎮静することが可能になります。免疫も「場の理論」が本質なのです。
(﨑谷博征『新・免疫革命』p195)
『新・免疫革命』は、免疫に関する従来の見方を覆す一冊。
以上ここまで、パレオドクターである﨑谷博征氏の『新・免疫革命 免疫の本質は《お掃除》にあり』という一冊を簡単にご紹介してきましたが、実際に本書を手に取って読んでみると、中盤は専門用語が多くてけっこう難しい内容になっています。
そのため、免疫に関する基礎知識がある程度ないと、読みにくいかもしれませんが、その場合は、著者の﨑谷氏が述べるように先に1章や4章、5章を読んでみると良いと思います。
また、今回ご紹介した『新・免疫革命』は、免疫に関する従来の見方を覆すものとなっており、免疫を生命場や生命力といった観点から見直すのにも恰好の一冊になっているという感想を持ちました。
実際に一読してみると、近年、アレルギー、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患、膠原病、慢性炎症、がんなど、治療が難しい病気に悩まされる方が急増している理由が判明してくるため(主に生体内に「ごみ」が溜まること)、内容は難しい部分もありますが、本書はより根本的にご自身の生命力を見つめていきたい方にオススメすることができます。
以上ここまで、『新・免疫革命 免疫の本質は《お掃除》にあり』の感想・書評を記事にしてみました。
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『闘う微生物』は抗生物質や農薬の濫用から人体を守る道筋を示した一冊。
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『闘う微生物 抗生物質と農薬の濫用から人体を守る』(エミリー・モノッソン 著 小山重郎 訳 築地書館)という本を、ご紹介していきたいと思います。
前回の記事は山本太郎氏の『抗生物質と人間ーマイクロバイオームの危機』の書評・感想でしたが、独立した研究者であるというエミリー・モノッソン氏の、『闘う微生物』(小山重郎 訳)は、「抗生物質と農薬の濫用から人体を守る」という副題の通り、抗生物質や農薬の濫用から、これからどのような方法によって人体を守っていくか、ということの道筋を示した一冊だといえそうです。
本書『闘う微生物』の特色は、科学研究の進歩や最新の成果を信頼しつつ、抗生物質や農薬の問題に関して合理的な解決策を示していることだといえます。
この点に関しては、訳者の小山重郎氏が、「生態学にもとづき、最近のゲノム学、コンピューター学の進歩を取り入れるならば、自然と敵対するのではなく、自然を味方につけた解決方法が生み出されることについて、彼女は楽天的である」と述べていますが、抗生物質に関しては、最低限の使用に止め、農薬の問題に対しては、農薬や化学肥料をなるべく使わない有機栽培を行うといったようなことが、具体的な問題の解決策として示されているわけではありません。
このことに関して、特に印象的なのは、
- バクテリオファージ・・・ウイルスを利用して特定の病原菌を倒す。
- 昆虫によるフェロモン・・・フェロモンによって特定の作物害虫を防除。
- 病気や病原微生物の診断・・・・DNA塩基配列を判別する機器やスマホなどの情報信機器を用いて速やかに行う。
といったことについての言及です。
この本はすべてを有機栽培にしようとするものではない。また、抗生物質による処置を否定するものでもない。そのかわりに、一歩一歩進み、私たちの化学物質漬けの過去から離れて、自然ともっと調和する未来へと進もうとするものである。
これらの自然の防御――微生物群を維持することから、ウイルスを役立てることへ、また昆虫の感覚を混乱させることまで――について私は楽天的であり、その考えを読者と分かち合いたい。
(エミリー・モノッソン『闘う微生物 抗生物質と農薬の濫用から人体を守る』 小山重郎 訳 p6~7)
また、『闘う微生物』においては、「前世紀には、私たちは自然を支配しようと試みたことで痛い目にあった。今度の世紀は新しい知恵を授ける」として、以下の項目について、著者なりの考えが述べられています。
- 「害虫と病原体は常に存在する。」
- 「私たちは生態学を重視しなければならない。」
- 「私たちは微生物に満ちた世界の中にいる少数の大型生物である。」
- 「私たちは白と黒の世界に住んでいるのではない。」
- 「自然それ自身は有力な味方である。」
- 「特異性は二次的な損害を減らす。」
- 「迅速診断が基本である。」
- 「予防に勝る治療はない。」
- 「最良の解決法は、もしそれらが手に入らなければ、役に立たない。」
- 「奇跡の治療はない。」
- 「宣伝は科学ではない。」
具体的にどのようなことが述べられているかについては、実際に本書を手に取って確認していただきたいと思いますが、これらのことは、これまでの歴史を踏まえつつ、これからの21世紀において、私たちと微生物がどのように正しく共生していくかを考えるための指針になるように思います。
ちなみに本書『闘う微生物』のなかでは、食事によって腸内フローラを改善するための具体的な方法などについては一切書かれていませんが、特に前回ご紹介した山本太郎氏の『抗生物質と人間』と併読すると、これからの時代の微生物との向き合い方についての視野が広がるように感じます。
また、同じ築地書館から出版されている『土と内臓 微生物がつくる世界』も、これからの未来を考えるうえで興味深い一冊です。
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「人間(ヒト)中心主義」が生命を大切にするわけー『抗生物質と人間』
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は山本太郎氏の『抗生物質と人間ーマイクロバイオームの危機』の書評・感想を述べつつ、「人間(ヒト)中心主義」が生命を大切にするわけについて書いていきたいと思います。
長崎大学熱帯医学研究所の教授である山本太郎氏の『抗生物質と人間ーマイクロバイオームの危機』(岩波新書)は、抗生物質の乱用に対して警鐘を鳴らす一冊として興味深い内容になっています。
また、新書であるにもかかわらず、腸内細菌叢をはじめとした微生物の世界について詳しく簡潔にまとめられていますので、抗生物質のことだけではなく、マイクロバイオータとマイクロバイオームの違いなど、微生物のことについて全般的に知りたいという方にも大変オススメです。
しかし、本書では抗生物質の乱用を問題視していますが、著者の山本太郎氏は抗生物質の存在を全否定しているわけではなく、「抗生物質の使用がいけないわけではない。抗生物質が生命に対していかに劇的な効果を示すか私たちはこれまでにも見てきた。その過剰使用が問題なのである」と述べています。
ペニシリンやストレプトマイシンなどの抗生物質が人びとを多くの病気から救ったことは確かです。しかし近年は、必要以上に抗生物質を乱用することによって、腸内細菌の攪乱(かくらん)が起き、そのことが炎症性疾患や自己免疫疾患、アレルギー性疾患などの増加をもたらしたのだとすれば、それは皮肉だとしか言いようがありません。
さらに、家畜の成長を促すために、抗生物質が大量に使われているという事態が、動物やヒトのからだに少なからぬ影響を与えていることも、重く受け止めなければならないように思います。
そして、本書『抗生物質と人間ーマイクロバイオームの危機』を読むと、その逆説的な「ポスト抗生物質時代」に突入した現在において、「抗生物質」とどのように向き合っていくかが問われているように感じます。
このことに関して、著者の山本太郎氏は、本書の第6章「未来の医療」において、「私たちに残された道は、その使用法を見直すことしかない」とし、さらに「私たちに残されている道は一つしかない」として、微生物との「共生、共存」について言及しているのは、非常に考えさせられます。
真の 「人間(ヒト)中心主義」とは?
また、本書に書かれている以下のくだりが印象的でした。
私たちはこれまで、「私」というものが、独立した個別の存在だと考えてきた。しかしそれは、私たちの思い込みにすぎなかったのかもしれない。個別の存在だと考えてきた「私」は、実は「私」に常在する細菌とともに「私」を構成している。そうした「私」は「マイクロバイオータ」と呼ばれる常在細菌叢との相互作用を通して、生理機構や免疫を作動させ、「私」をかたちづくる、と書けばどうだろう。(山本太郎『抗生物質と人間―マイクロバイオームの危機』 p70)
ヒトが、ヒトを至高の存在とみなし、その存在に絶対の価値を置き、それを担保とするためには、他の生物やそれを支える環境の存在が欠かせないということである。そしてそれは、「人間非中心主義」の考え方に通じる。すなわち、人間中心主義は、人間非中心主義を部分的に包摂することによって、初めて成立する概念だということになる。(山本太郎『抗生物質と人間―マイクロバイオームの危機』 p147)
つまり、「私」とは、ヒトである「自分」のことだと、つい捉えてしまいがちになるのですが、実は、その自分とは、微生物をはじめとした自分以外の存在によって成り立っているものなのです。
すなわち、「人間(ヒト)中心主義」が生命を大切にするわけは、真の「人間(ヒト)中心主義」とは、「人間非中心主義」に支えられていることで成り立っているからなのです。
要するに、真の「人間(ヒト)中心主義」とは、人間が他のあらゆる生命の優位に立とうとするがゆえに、人の生活圏から他の生物を単純に有害なものと見なして排除することではなく、山本氏が述べるように「ヒトが、ヒトを至高の存在とみなし、その存在に絶対の価値を置き、それを担保とするためには、他の生物やそれを支える環境の存在が欠かせない」ということなのです。
このようなことを考えるためにも、山本太郎氏の『抗生物質と人間ーマイクロバイオームの危機』はお勧めです。
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