低体温は生命力低下の原因―齋藤真嗣『体温を上げると健康になる』
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は低体温が生命力低下の原因になるわけについて述べていきたいと思います。
季節が秋から冬に移行していくと、次第に寒さによる「低体温」が気になってくると思います。
特に冷え性の方は「低体温」にならないよう常に気をつけていると思いますが、近頃は以前よりも低体温の人が増えていると言われていますから、普段は自分の体温が高いと思っている方でも、いつのまにか低体温になっていないか、注意する必要があるのかもしれません。
その「低体温」は生命力の低下につながってくると考えられます。
なぜなら、体温が低下してしまうと、その分、からだの機能が低下してしまうからです。からだの機能が低下してしまうということは、すなわち、全身の細胞の元気がなくなるということを意味します。
反対に、体温が上がれば、その分、からだの機能が回復して、細胞も元気になります。この「細胞が元気になる」とは、細胞内のミトコンドリアの活動が活発になるということでもあります。
このことに関して、医師であり日米欧のアンチエイジング専門医でもある齊藤真嗣氏は、『体温を上げると健康になる』のなかで、「体温が一度下がると、免疫力は三十%も低くなります」が、「体温がたった一度上がるだけで免疫力は五倍から六倍も高くなる」と述べています。
また、「低体温になると、病気に対する抵抗力が下がり、抵抗力が低下したことによって病気が発症・悪化し、それによって体内環境が悪化すると、さらに低体温になるという「負のスパイラル」にはまり込んでしまう」と述べています。
そして、「低体温がもたらす「負のスパイラル」から抜け出す最善の方法は、体温を上げることです」としています。そのように述べる理由は、「体温が上昇するとそれだけでも血流」が良くなるからだといいます。
低体温が血流を悪くさせるのとは逆の理由で、体温が上昇するとそれだけでも血流はよくなります。血流がよくなると、ストレスによってダメージを受けていた細胞に糖(グルコース)というエネルギー源が供給されます。それと同時に、体温アップによって酵素活性も上がるので、エネルギーを効率よくつくりだすことができるようになります。
こうして細胞がストレスから回復すると、その情報が脳に行き、脳の視床下部から下垂体へ、そして自律神経、ホルモンへと伝達されていきます。こうしてよい情報が伝達されていくことによって、体全体の機能も正常に整っていくのです。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p55~56)
低体温になる原因のひとつはストレス
また、齋藤真嗣氏は『体温を上げると健康になる』のなかで、低体温になる原因のひとつに「ストレス」を挙げています。
「人間はストレス状態が長く続くと、自律神経のバランスや、ホルモンのバランスを崩してしまいます」とし、「ストレスが低体温をつくりだし、低体温が細胞にとってさらなるストレスになる」と述べています。
そのため、低体温にならないためにはストレス対策が重要になってくると考えられますが、ストレス対策以外に、低体温を避けるためには、日頃からどのようなことを行なえば良いのでしょうか?
齋藤氏は「神様が定めた人間の体温は三七度」であるとし、「最低でも一日一回、体温を三七度に上げる習慣を身につけること」が重要であるとし、特に「体温を恒常的に上げるべく、筋肉を鍛えることに目を向けてほしい」としています。
人間は幸せを手に入れようと、いろいろなことに頑張りながらここまで進化してきました。でも、ちょっと頑張りすぎてしまったようです。
私には、そのひずみが低体温となって、人間に本来の幸せに立ち返るよう教えてくれているような気がしてなりません。
頑張って働いて、ストレスに耐えて、あなたの体はもう悲鳴を上げています。その悲鳴が「低体温」です。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p197)
昔に比べ、人間の運動量はあきらかに落ちています。低体温の人が増えてきたのは、ストレスに人間が対応できなくなったことに加え、筋肉の質と量が低下したせいです。
一日一回、体温を一度上げる努力をする。
筋肉を鍛えて、体温が少しずつアップしていくような生活をする。
原始時代の生活に戻れない私たち人間は、自分自身の責任で、それをやっていくしかないのです。
体温を上げると健康になる。ひいてはそれが幸せにつながる。
私が本書でお伝えしたかったことは、このひと言に尽きるでしょう。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p198)
齋藤真嗣 『体温を上げると健康になる』 サンマーク出版
齋藤真嗣氏の『体温を上げると健康になる』は2009年にベストセラーになった一冊ですが、この本に書かれている内容は、当たり前のことのように思えて、健康を維持するためには実は非常に大切なことであるように感じられます。