生命力を高める生活~腸内フローラ・酵素・ミトコンドリア~

主に腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアで生命力を高める方法について書いています。

腸内フローラ改善がアレルギー症状を緩和する理由とは?

前々回の記事では腸内フローラと免疫力、前回の記事では腸内細菌と免疫力の関係について述べましたが、今回は腸内フローラとアレルギー症状の関係について述べてみたいと思います。

腸内フローラの改善を行うと、花粉症やアトピー性皮膚炎といったアレルギーの症状が緩和されると言われています。

ではなぜ、腸内フローラの改善がアレルギーの症状を緩和するのかといえば、その理由はアレルギー症状が発症してしまう原因には、腸の免疫システム(腸管免疫)が深く関わっているからなのです。

具体的には、アレルギー症状が起こる原因のひとつは、腸管の免疫細胞のバランスの乱れです。

特にヘルパーT細胞と呼ばれる免疫細胞のうちの「Th1(1型)」ではなく「Th2(2型)」のほうが優勢になることで「IgE抗体」と呼ばれるものが多く生まれてしまい、そのことがアレルギー症状の原因を作ると言われています。

ヘルパーT細胞の2型がきっかけで、免疫細胞のB細胞が大量の「IgE抗体」を作り始めるようになると、「IgE抗体」がマスト細胞と呼ばれるものにくっついてマスト細胞が破裂してしまいます。

すると、中からヒスタミンやロイコトリエンといった、かゆみやくしゃみの元となる成分が、血液中にばらまかれてしまうのです。

実はアレルギー症状はどれも、この「2型ヘルパーT細胞」と「IgE抗体」が共通して関係してきます。

つまり、アレルギー症状が発生してしまう主な原因は、腸管の免疫細胞のバランスが崩れ、2型ヘルパーT細胞の割合が大きくなっていることなのです。

制御性T細胞(Tレグ)が免疫細胞のバランスを整える

しかし、近年は「制御性T細胞(Tレグ)」という免疫細胞には、ヘルパーT細胞の「Th1(1型)」と「Th2(2型)」のバランスを整える働きがあるとして、注目してされています。

そのため、この「制御性T細胞(Tレグ)」と呼ばれる免疫細胞を体内に増やすことがアレルギー症状の緩和のカギだとされています。

実際のところ、アレルギー症状を起こさない人の免疫システムには、アレルギー疾患を抱える人よりも多くの制御性T細胞が存在していると言います。

では、腸内フローラの改善を行うことがその制御性T細胞にどのように関わってくるのでしょうか?

実は「制御性T細胞」は腸内細菌の働きと関係があります。

理化学研究所東京大学慶應義塾大学先端生命科学研究所の共同研究によれば、食物繊維の多い食事を摂ることで腸内細菌の活動が高まるといいます。

そしてその結果、短鎖脂肪酸のうちの酪酸が多く作られ、この酪酸が炎症の抑制作用がある制御性T細胞を増やすそうなのです。

つまり、アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギーの症状を緩和・改善していくには、腸内細菌のエサになる食物繊維を多く摂ることで腸内フローラを改善していくことが必要になってくるのです。

乳酸菌もアレルギー症状の緩和に役立つ

また、東京大学名誉教授の光岡知足氏は、『腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ』のなかで「腸内に乳酸菌が多いと、TLRのセンサーが作動し、自然免疫が活性化されることで、アレルギーが起こりにくい状態に誘導されることは十分に考えられます」と述べています。

光岡知足氏によれば、乳酸菌の菌体成分が腸管免疫を刺激すると、樹状細胞が活性化され、Th1の働きが優位になり、その結果、Th2の働きが抑えられるため、アレルギー症状の緩和と改善が期待できるのだと言います。

さらに「そもそも、腸内フローラがビフィズス菌優勢の状態に保たれていれば、こうした免疫の誤作動は起こりにくくなり、アレルギーは起こりません。アレルギー増加の背後には、腸内環境の悪化がひそんでいるのです」としています。

したがって、アトピー性皮膚炎や花粉症をはじめとしたアレルギーのつらい症状を緩和していくためには、腸管免疫が正しく機能するよう、食物繊維乳酸菌を多く摂ることで腸内フローラの改善を行うことが大切になってくるのです。

そしてそのことが根本的なアレルギー体質の改善につながっていくと思われます。

しぶといアレルギーを治すには地道な腸内フローラ改善が大切

ところが、アレルギーの症状はなかなかしぶとく、本当の意味で緩和していくには、けっこう時間がかかりますし、根気も必要になってきます。

そのため、1~2週間程度、乳酸菌が入ったヨーグルトを食べ続けたからといって、花粉症やアトピーなどが起こりやすい体質は根本的には改善されません。

また、乳酸菌や食物繊維を摂るようにしても、なかなかアレルギーが良くならないからといって、以前の食生活に戻ってしまいがちになることも考えられます。

しかし毎日あきらめることなく、地道に腸内フローラの改善を行い続けていけば、完治は難しくても、少しずつ症状が緩和していくのを実感できます。

このように述べるのは、私自身、これまでアトピーや鼻炎などに悩まされ続けてきましたが、意識的に腸内フローラの改善を行い続けていたら、不思議なことに、症状は緩和の方に向かっているのを実感しているからです。

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