酵素の正体とは?
当ブログでは、生命力を高める方法として、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアに注目していますが、そのうちの「酵素」を体内に増やしていくことは、免疫力を高め、さらには生命力を高めていくのに、有効だと考えられます。
では、その酵素の正体とは一体何でしょうか?
酵素の中身は一般的にはタンパク質だと言われています。そのため、酵素を食べ物から摂取しても、アミノ酸に分解されて体内に吸収されるため、何の意味も無いと述べる専門家も多くいます。
私自身は、食物に含まれた酵素は消化を助ける役割を果たすという立場をとりますが、しかし、酵素研究の第一人者である鶴見隆史氏によると、その本質はタンパク質と同じではないそうです。
確かに酵素は21種類のアミノ酸から出来ているタンパク質に囲まれていますが、それはあくまで外殻であり、その殻のなかで酵素は独自のはたらきをしているというのです(参考 鶴見隆史『酵素の謎 なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』)。
そして、「アミノ酸(タンパク質)の外殻を持つ酵素は、DNAによって作られ、DNAの構造上に存在する」と考えられているそうです。
また、鶴見氏によれば「酵素がほかのタンパク質と違うのは、酵素には活性の中心と呼ばれる「穴」があり、そこにほかの物質をとらえ、分解や合成などの化学反応をすばやく起こさせる不思議な力がある」と言います。
酵素のこのような働きは「触媒」作用と呼ばれています。
「触媒」とは、結婚するカップルを成立させる仲人のようなもので、「それ自身は変化しないまま、接触する周囲の物質の化学反応を早める物質」のことを指します。
この「触媒」は、通常は熱が高いほどその働きが大きくなるとされていますが、酵素は生きて活動しているため、44度から50度あたりでもっとも活性化するそうです。
また、人間の体内では38度から40度でもっとも活性化すると言います。
それに加え、酵素は水素イオン指数であるpHの指数にも影響を受けるようです。人間の体は弱アルカリ性が良いと言われますが、消化管などは酸性が多く、そのpHの指数によって酵素の活性の度合いも違ってくるようです。
このように酵素はある条件下で活性したりしなかったりするため、鶴見隆史氏によれば、酵素はただの「触媒」ではなく、「タンパク質という殻に包まれた触媒的な働きをする生命体」なのだそうです。
また『病気にならない生き方 』の著者である新谷弘実氏も、酵素はただのタンパク質でなく、「たんぱく質性の物質」であり、生命活動の根源に関わっているということを示唆しています。(参考 新谷弘実『酵素力革命』)。
酵素の正体はただのタンパク質にすぎないのか、それとも違うのか、意見は人それぞれです。しかし、ミクロの存在である酵素が生命力に深く関わっていることは確かだと、私自身は思います。
参考文献 鶴見隆史『酵素の謎 なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』 祥伝社新書
参考サイト 酵素免疫生活