ミトコンドリアで生命力を高める方法とは?
この記事ではミトコンドリアで生命力を高める方法について述べていきたいと思います。
わたしたちの細胞内には数えきれないほどのミトコンドリアが生息しており、そのミトコンドリアは日々、「ATP(アデノシン3リン酸)」と呼ばれるエネルギー通貨を作ることで、様々な生命活動を行えるようにしてくれています。
また、ミトコンドリアが元気に活動することは、新陳代謝が活発になり、細胞がスムーズに生まれ変わることを意味します。
そのミトコンドリアの働きは目に見えないものですが、普段からミトコンドリアの存在を意識することは、生命力を高めることに直結していくのです。
このミトコンドリアについて、医学博士の西原克成氏は、以下のように述べています。
- ミトコンドリアは、各細胞のなかで半ば自立的に分裂・増殖を続けている。
- 食物として取り入れた糖や脂肪などの栄養素やミネラル・ビタミン・水素と、呼吸によって取り入れた酸素、それに酵素と補酵素が加わって、三〇〇種類ほどある全身の細胞がそれぞれに必要とするエネルギー物質のアデノシン三リン酸(ATP)をつくり出している。
- ミトコンドリアは、新陳代謝の主役としては体温を一定に保ち、細胞のリモデリングを行い、細胞の同化・異化・運動の調節・老廃物の排出とともに老化を予防する働きを担っている。(西原克成『免疫力を高める生活 健康の鍵はミトコンドリアが握っている』 p182)
ミトコンドリアで生命力を高めるには?
では、ミトコンドリアで生命力を高める方法とは、具体的にどのようなものでしょうか?
それはミトコンドリアがエネルギーを作る能力を高めていくことに他なりません。
そのためには、毎日ある程度の時間、日光浴をすることが大切になってきます。なぜなら、ミトコンドリアは太陽の光を浴びると活性化するからです。
また、ミトコンドリアが機能低下を起こさないよう、日頃の生活習慣を気をつけてみることも大切です。
- ビタミンやミネラルなどの栄養素の過不足
- 血液中に侵入したウイルスや細菌
- 人間にとって不適当な外部からの重力や気圧、温度
- ストレスや過剰な紫外線
- 激しい運動などによって生じる活性酸素
などを挙げています。
これらの要素によってミトコンドリアの働きに障害が起こると、スムーズに細胞の新陳代謝が行なわれなくなるのです。
また老化が早まったり、生活習慣病や自己免疫疾患、アレルギーといった病気の原因になったりすると西原氏はしています。
ミトコンドリア健康法とは?
特に活性酸素(フリーラジカルの一種)は、ミトコンドリアの機能低下の大きな原因になるので注意が必要です。
ちなみに活性酸素とは、ペアになっていない電子をもつ不安定な酸素のことで、体内に増えすぎると、全身の細胞の老化を促したり、ミトコンドリア内の遺伝子を傷つけたりするとされています。
この活性酸素に対しては、水素分子が含まれた水素水が役立ちます。
水素水は代表的な抗酸化物質であるポリフェノールよりも数百倍の抗酸化力があり、しかも悪玉の活性酸素だけを除去するため、ミトコンドリアの機能低下を防いでミトコンドリアを元気にするのに効果的です。
ちなみに医学博士の宇野克明氏は、ミトコンドリアの機能低下や細胞の劣化につながるフリーラジカル(活性酸素)が増えすぎないように注意を促しながら「ミトコンドリア健康法」として以下を挙げています。
①過度の栄養摂取を控える。
過度の栄養はATP需要を越えた電子の漏電をまねき、フリーラジカルを増やす。
②食事のカロリー制限は朝、昼に重点を置き、夜は控えめに。
ミトコンドリアで作られたエネルギー源ATPも活動によって処理しやすい。
③寝る前の食事やアルコール摂取は控える。
寝る前はATP需要も減り、過度の栄養は電子の漏電やフリーラジカルを増やす。
④食事の後は適度な運動も好ましい。
運動でATP消費もスムーズとなり、電子の漏電によるフリーラジカルを防ぐ。
⑤過度の運動は控えめに。
過度の運動はむやみに酸素消費量を増やし、フリーラジカルを大量に発生させる。
⑥むやみな抗酸化対策は行わない。ミトコンドリア環境改善という源流対策も行わず、フリーラジカルの警告だけを消し去るとアポトーシスが中断してしまい、発がんの原因にも。(宇野克明『ミトコンドリア革命』p142~143)
このように、宇野克明氏は細胞の老化やサビつきの原因になるとされるフリーラジカル(活性酸素)の対策を中心にしたミトコンドリア健康法について述べています。
また、細胞内のミトコンドリアは増やすことが可能です。
ミトコンドリアはエネルギーが必要だと感じると増えていきますので、運動をほとんどしない生活ではなく、なるべく身体を動かすようにすることが非常に大切になってきます。
しかし、ミトコンドリアは酸素によってエネルギーを生み出そうとするため、身体を動かすといっても、息切れするような激しい運動(無酸素運動)ではなく、ゆったりとしたウォーキングやランニングなどの有酸素運動です。
さらにミトコンドリアを増やすための具体的な方法として、日本医科大学教授の太田成男氏は、『体が若くなる技術 ミトコンドリアを増やして健康になる』のなかで以下を挙げています。
- マグロトレーニングをする・・・ヒラメのような瞬発力のある筋肉(白筋)ではなく、マグロのような持久力のある筋肉(赤筋)を鍛える。
- 姿勢を保つ・・・筋肉の中でも姿勢を保つための筋肉、背筋と太腿の筋肉に多く含まれているため、背筋のミトコンドリアを増やすためには、背すじを伸ばすことが重要。
- 寒さを感じる・・・ミトコンドリアは寒さを好むため、寒さを感じてミトコンドリアにエネルギーが必要だと感じさせることが、ミトコンドリアを増やすためのヒケツ。
- 空腹を感じる・・・空腹になると、からだはエネルギーがもっと必要だと認識するようになり、ミトコンドリアを増やそうとする。
ミトコンドリアは生命エネルギーを生み出す源
このようにミトコンドリアによって生命力を高めるには、ミトコンドリアの機能低下を防いだり、ミトコンドリアを増やしたりしていくことが重要になってきます。
またミトコンドリアのTCAと呼ばれる回路には、そのすべての反応に酵素が必要になってきます。そのためミトコンドリアの活性化のためには、体内の酵素を増やすことも重要です。
さらに、ミトコンドリアが生み出すエネルギー通貨「ATP」のスムーズな産生には還元型の【コエンザイムQ10】 が役立ちます。
そのほか、細胞内に住むミトコンドリアの栄養は、腸からやって来るため、腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善することも、ミトコンドリアの健康に関係してきます。もし腸内環境が悪ければ、せっかく食物を摂っても、十分に栄養が体内に吸収されないのです。
ミトコンドリアが元気になれば、新陳代謝が活性化し、免疫力は向上していきます。また、ミトコンドリアは生命エネルギーを生み出す源であるため、ミトコンドリアが元気になると、そのぶん、細胞もイキイキと健康になり、生命力も高まっていきます。
したがって、ミトコンドリアを普段から意識することは、生命力を高める方法のひとつだと言えるのです。