生命力を高める生活~腸内フローラ・酵素・ミトコンドリア~

主に腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアで生命力を高める方法について書いています。

『縄文人の世界観』 大島直行 著

当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は大島直行氏の『縄文人の世界観』を、生命力を高めるための一冊として紹介していきたいと思います。

 

なぜこの大島直行氏の『縄文人の世界観』(国書刊行会をこの記事で取り上げようと思ったのかと言えば、生命力を高めて幸せに生きるためには、縄文人が持っている「非合理的思考」や縄文人の生き方から学ぶことは多いと感じたからです。簡単にいえば、縄文人は自分たちの世界を何でも、「再生」のシンボルとして表現したということなのです。

 

ちなみに「非合理的思考」とは、私たち現代人が当たり前のように行っている「合理的思考」とは、正反対に位置する思考形態です。「合理的思考」とは、理にかなっている思考方法というべきか、例えば物を買う時に、損得を考えたり、コスパを重視したりすることを指します。大ざっぱにいえば、何か物事を成し遂げようとした際に、論理を重視し、頭のなかであれこれと計算することだと言えます。

一方、非合理的思考とは、常識と呼ばれるものから見たら、一見荒唐無稽や眉唾とも思える、「頭がおかしい」「普通じゃない」「非常識」な思考形態のことです。しかしたとえば何か悪いことがあった時にお祈りしたり、占いやおまじないに頼ったりすることがあると思います。これらは科学的立場から見たら、それこそ論拠がない荒唐無稽なことのように思われがちですが、このお祈りや占い、おまじないなどは、実は「非合理的思考」と深く関係しています。

 

 人間は、誰もが合理的思考だけでなく非合理的な思考能力をも併せ持っています。人間は、生きる時代や地域に合わせて、二つの思考能力を使い分けてきただけなのです。二つの思考能力の使い分けは、生まれ育った自然環境や社会環境によって左右されます。ただし、非合理性が原始的だと解釈するのは偏見に過ぎません。(大島直行『縄文人の世界観』 国書刊行会 p235

 

 私たち現代人は、合理的思考をよしとして、非合理的なものの考え方を極力排除しようとします。けれども、このように合理的思考が卓越するのは、じつは、農耕社会や牧畜社会が出現してからなのです。自然環境に手を加え、社会的にそれを維持しようとする場合、どうしても合理的思考でなければ、システマティックに事が進まないからです。日本列島で合理的思考が優越するのは、およそ二二〇〇年前の弥生時代からなのです。(

 

 

大島直行『縄文人の世界観』

大島直行『縄文人の世界観』国書刊行会

 

縄文人と再生

大島直行氏の『縄文人の世界観』の主張は一貫しています。それは、縄文人は土器、土偶、祭祀具、住居、施設など、様々なものを「再生」のシンボリズム(「月ー子宮ー水ー蛇」)として表現したということです。

 

 なぜ縄文人が、再生のシンボリズムを、道具だけでなく施設にまで壮大なスケールで表現したのか、そのわけも理解できるのではないかと思います。それは、再生に対する果てしない希求(信仰)にほかなりません。縄文人にとっては、再生信仰こそが、すべてだったのです。(大島直行『縄文人の世界観』 国書刊行会 p244

 

 縄文人の思想を支えているのは、非合理的思考がつくり出した神話的世界観です。神話的世界観をバックボーンに存在し続けた縄文人の思想とは、果たしてどのようなものだったのでしょうか。

 それは「月のシンボリズム」に象徴されるように、「死の否定」への理論武装にほかなりません。縄文人にとって、生存の証は〝死なない〟ことだったのです。自然科学や人文科学的な知見をもたない彼らの理論武装は、ただひたすら「野生の科学」としての神話を研ぎ澄ますことでした。しかし、それは見事なまでの理論武装でした。そして、彼らが神話的な世界観を背景に組み立てたのが、再生のための思想だったのです。(大島直行『縄文人の世界観』 国書刊行会 p253

大島直行『縄文人の世界観』

これからの時代を生き抜く智慧を縄文人から学ぶ

縄文人は「月ー子宮ー水ー蛇」といった「不死」「再生」のシンボリズムの体系を、世界観として土器や住居などに表現してきたようです。

縄文土器や土偶には円や楕円、渦巻きなどが多いのはそのことを意味すると、大島氏は縄文人の世界観を読み解きます。そして大島氏が縄文人の思考を一貫して非合理的思考優先で読み解くのは、これまで考古学者の多くが、縄文人の非合理的思考に目を向けるよりも、利便性などをはじめとした合理的思考を前面に出した現代人特有の見方でしか、縄文人の世界観を読み解けなかったことに異議を唱えようとしているからです。

 

 これまで、縄文時代がなぜ一万年間ものあいだ続いたのかという問いには、誰も明快に答えられませんでした。せいぜい豊かな環境にあったから、というステレオタイプの回答が関の山でした。縄文文化が長い間継続したのは、縄文人以外の誰も経験したことのない根源的な思想である「再生思想」を、この日本列島において確立し、それを継続したからにほかなりません。

 人間は、哲学、宗教、科学がなくても知的に生き抜くことができるということを、私たちは縄文人から学ぶべきです。(大島直行『縄文人の世界観』 国書刊行会 p254

 

大島直行『縄文人の世界観』

 

私自身も、社会を生きていくうえで合理的思考は必要だとは思いますが、何でも欧米流の「論理」重視で頭でっかちにならず、古代日本の叡智に目を向け、そこから非合理的思考を学ぶことも、「生命力」を再生するためにこれからの時代には大切になってくると個人的に感じます。

 

 

縄文人の世界観

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