低体温は生命力低下の原因―齋藤真嗣『体温を上げると健康になる』
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は低体温が生命力低下の原因になるわけについて述べていきたいと思います。
季節が秋から冬に移行していくと、次第に寒さによる「低体温」が気になってくると思います。
特に冷え性の方は「低体温」にならないよう常に気をつけていると思いますが、近頃は以前よりも低体温の人が増えていると言われていますから、普段は自分の体温が高いと思っている方でも、いつのまにか低体温になっていないか、注意する必要があるのかもしれません。
その「低体温」は生命力の低下につながってくると考えられます。
なぜなら、体温が低下してしまうと、その分、からだの機能が低下してしまうからです。からだの機能が低下してしまうということは、すなわち、全身の細胞の元気がなくなるということを意味します。
反対に、体温が上がれば、その分、からだの機能が回復して、細胞も元気になります。この「細胞が元気になる」とは、細胞内のミトコンドリアの活動が活発になるということでもあります。
このことに関して、医師であり日米欧のアンチエイジング専門医でもある齊藤真嗣氏は、『体温を上げると健康になる』のなかで、「体温が一度下がると、免疫力は三十%も低くなります」が、「体温がたった一度上がるだけで免疫力は五倍から六倍も高くなる」と述べています。
また、「低体温になると、病気に対する抵抗力が下がり、抵抗力が低下したことによって病気が発症・悪化し、それによって体内環境が悪化すると、さらに低体温になるという「負のスパイラル」にはまり込んでしまう」と述べています。
そして、「低体温がもたらす「負のスパイラル」から抜け出す最善の方法は、体温を上げることです」としています。そのように述べる理由は、「体温が上昇するとそれだけでも血流」が良くなるからだといいます。
低体温が血流を悪くさせるのとは逆の理由で、体温が上昇するとそれだけでも血流はよくなります。血流がよくなると、ストレスによってダメージを受けていた細胞に糖(グルコース)というエネルギー源が供給されます。それと同時に、体温アップによって酵素活性も上がるので、エネルギーを効率よくつくりだすことができるようになります。
こうして細胞がストレスから回復すると、その情報が脳に行き、脳の視床下部から下垂体へ、そして自律神経、ホルモンへと伝達されていきます。こうしてよい情報が伝達されていくことによって、体全体の機能も正常に整っていくのです。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p55~56)
低体温になる原因のひとつはストレス
また、齋藤真嗣氏は『体温を上げると健康になる』のなかで、低体温になる原因のひとつに「ストレス」を挙げています。
「人間はストレス状態が長く続くと、自律神経のバランスや、ホルモンのバランスを崩してしまいます」とし、「ストレスが低体温をつくりだし、低体温が細胞にとってさらなるストレスになる」と述べています。
そのため、低体温にならないためにはストレス対策が重要になってくると考えられますが、ストレス対策以外に、低体温を避けるためには、日頃からどのようなことを行なえば良いのでしょうか?
齋藤氏は「神様が定めた人間の体温は三七度」であるとし、「最低でも一日一回、体温を三七度に上げる習慣を身につけること」が重要であるとし、特に「体温を恒常的に上げるべく、筋肉を鍛えることに目を向けてほしい」としています。
人間は幸せを手に入れようと、いろいろなことに頑張りながらここまで進化してきました。でも、ちょっと頑張りすぎてしまったようです。
私には、そのひずみが低体温となって、人間に本来の幸せに立ち返るよう教えてくれているような気がしてなりません。
頑張って働いて、ストレスに耐えて、あなたの体はもう悲鳴を上げています。その悲鳴が「低体温」です。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p197)
昔に比べ、人間の運動量はあきらかに落ちています。低体温の人が増えてきたのは、ストレスに人間が対応できなくなったことに加え、筋肉の質と量が低下したせいです。
一日一回、体温を一度上げる努力をする。
筋肉を鍛えて、体温が少しずつアップしていくような生活をする。
原始時代の生活に戻れない私たち人間は、自分自身の責任で、それをやっていくしかないのです。
体温を上げると健康になる。ひいてはそれが幸せにつながる。
私が本書でお伝えしたかったことは、このひと言に尽きるでしょう。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p198)
齋藤真嗣 『体温を上げると健康になる』 サンマーク出版
齋藤真嗣氏の『体温を上げると健康になる』は2009年にベストセラーになった一冊ですが、この本に書かれている内容は、当たり前のことのように思えて、健康を維持するためには実は非常に大切なことであるように感じられます。
『音楽と洗脳 美しき和音の正体』(苫米地英人 著)は音の可能性を考えさせられる一冊
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『音楽と洗脳 美しき和音の正体』(苫米地英人 著)を、生命力を考えるための一冊として紹介したいと思います。
認知科学者であり、株式会社ドクター苫米地ワークス代表として知られている苫米地英人氏による『音楽と洗脳 美しき和音の正体』(徳間書店)は、音の可能性や音楽の脳への影響を考えさせられる非常に刺激的な一冊だといえます。
本書『音楽と洗脳』では、まず、教会音楽としての西洋の音楽の歴史が分かりやすく、かつ詳細に語られていますが、本書に書かれていることの重要なポイントは、音律の主役の座が、
へと変化してしまった過程にあるように思われます。
「ローマ教会の権威がヨーロッパ全域に広がった時に登場した」平均律は、現在、日本でも取り入れられているといいますが、この平均律とは、「神の御業の美しさを称える音階ではなく、神の完全無比さを称えるために作られたもの」であり、「そこにあるのは音楽へのこだわりではなく、数比へのこだわり」だったといいます。
そのため、「平均律は音楽家たちにはとても評判が悪いものであり、音楽的にも誉められる代物ではなかった」のだといいます。
しかし平均律は、「神の完璧性、全能性を音であらわすことが目的」であった教会によって、「音楽性ではなく、教義的な理由で選択」されたのだ苫米地英人氏は述べています。
また苫米地氏は、この「平均律のすべてが悪いわけではありません」としながらも、「平均律は転調がしやすいという以外のメリットはほとんどありません。音は狂っており、和音も濁っています」としています。
さらに「日本では平均律で調律したピアノで音楽教育を指導した結果、ハーモニーに対して鈍感になっている人が量産されて」しまったといいます。
その理由は明治以来、日本の音楽教育は、「平均律&ピアノ至上主義」であるアメリカ式が主流だからだそうです。
このように、日本で誤った音楽教育が行なわれていることは、非常に嘆かわしいことだと思われます。
音楽の素晴らしいところは、強烈なイメージを情報空間に作り上げることができる点です。それは同時に情動を動かすのですが、ただの感情の喚起だけでなく、脳内ホルモンの分泌を促し、さらに記憶を動かし、身体も動かします。
映像のない点も素晴らしいところです。情報空間の中で自由にイメージを広げることが可能になります。
そんな音楽が持つ可能性はまだまだ広げることができるはずです。
ところが、残念ながら、現在の音楽環境は、それほどいいとは言えません。
特に日本の場合は、ピアノの和音が狂ってることを放ったらかしにしています。これでまともな音楽教育ができるはずがありません。(苫米地英人『音楽と洗脳 美しき和音の正体』 p86)
『音楽と洗脳』の付録DVDの特殊機能音源がスゴイ
ところで私自身、音楽、倍音、言霊など、音のちからが、脳や心にどのような作用をもたらすのか、ということにこれまで関心がありました。
また、「超高周波」の脳への影響について書かれている大橋力氏の『音の文明』などにも大変触発された憶えがありますが、この「超高周波」の可能性についても、第4章「超高周波と脳」のなかで、CDの問題点などを踏まえながら言及されています。
そのため、この度苫米地英人氏によって、このような画期的な本が書かれたということは、非常に喜ばしいことだと個人的に感じました。
さらに、今回、本書『音楽と洗脳』の付録のDVDには、CD品質の特殊音源に加え、「超高周波の再生を可能にした特別バージョン」のものが付いています。
私自身、苫米地英人氏による機能音源を人生に活用してきた一人ですが、この付録の特殊機能音源は、平均律を使用していないことに加え、グレゴリオ聖歌や、琴、ガムラン、サントゥール、ギター、パンフルートといった楽器が採り入れられており、非常に高品質なものとなっています。
したがって、パソコンやCDプレーヤーといった一般的な再生環境でCD品質の音源を聴くのはもちろんのこと、もしハイレゾ音源をきちんと再生できるオーディオ環境があるのであれば、さらに、苫米地がいう、
- 集中力アップ
- 創造性アップ
- IQアップ
- リラックス
といった効果が見込めると思います。
ちなみに、苫米地英人氏の特殊機能音源について詳しく知りたい方は、本書『音楽と洗脳』のなかで詳しく説明されていますので、実際に『音楽と洗脳』を読んでみてください。
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苫米地英人『音楽と洗脳』は音と脳の関係と可能性に注目した画期的な一冊
本書『音楽と洗脳 美しき和音の正体』は、このような高品質な機能音源が付録として付いているにも関わらず、2千円代で買えるのですから、非常にお買い得だと言えます。
また脳と音楽・音との関係について詳しく知りたい方も、本書『音楽と洗脳』は必読だと思われます。
人間は音楽を聴くだけでなく、演奏もしますから、位置情報や運動野との連動はとても重要になります。また、言語野には発声との関わりもありますから声を出す、歌を歌うという動作とつながってきますし、言語が持つイメージとも関連しながら、前頭前野、前頭極へ情報を送り出します。
最終的にはこれらを前頭前野で統合的に処理したのち、音楽情報は大脳辺縁系に行って情動を揺り動かすのです。
そして、ここで最も覚えておいてほしいのは、音の情報が、末梢神経から脳幹、大脳皮質、大脳辺縁系へと、脳の隅々を巡って、活性化させていることです。(苫米地英人『音楽と洗脳 美しき和音の正体』 p77)
音楽は複雑な音情報です。周波数の変化、音圧の変化、周波数の連携や重なりがコンマ単位で起きています。
これを正確に聴き取り、統合し、意味を自分で付け加えて、情動を揺さぶり、足を踏み鳴らす、リズムを取る、涙を流すなど運動まで起こしています。
もしも、楽器の演奏ができる人ならば、さらに効果は倍増です。(苫米地英人『音楽と洗脳 美しき和音の正体』 p77~78)
いずれにせよ、私たちの脳は、このぐらい選択的に音情報を判断しています。
美しい音楽、好みの音楽が流れてくれば、積極的に耳をそばだてて聴いて時に涙を流したり、足を踏み鳴らして興奮することもできる一方で、自分の声だから聞かないという判断を無意識でやっています。
こういった能力をほんの少し意識的に使うだけで、私たちの能力、認知力は相当上がることは間違いないのです。
これが聴覚の実力であり、可能性なのです。(苫米地英人『音楽と洗脳 美しき和音の正体』 p80)
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『GO WILD』で「野生の体を取り戻せ!」
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』(ジョンJ.レイティ、リチャード・マニング 著 野中香方子 訳)の書評・感想を、生命力を考えるために書いていきたいと思います。
ジョンJ.レイティ、リチャード・マニング氏らによる『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』は、生命力を高めるための秘訣がぎゅっと詰まっている一冊ですので、最近、何だか元気が出ない、やる気が起きないと感じる方に、ぜひ手に取っていただきたいと思います。
なぜならこの『GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス』には、「現代人を苦しめるもの」について書かれているからです。その現代人を苦しめる原因となっているものとは、「文明病」ともいうべき、文明社会に生きる現代人にとって当たり前になっているライフスタイルであるように思います。
そして、元気を取り戻したいと思ったり、これまでの自分よりも幸せになるために今の自分をアップデートしたいと感じたりするならば、食事、睡眠、運動など、日常生活の中で、毎日あたりまえのこととして何気なく行っていることの多くについて、改善の余地が無いか、意識的になってみることが必要であるように思います。
もちろん、食事、睡眠、運動などを見直すということの目的は、決して収入を増やすためではなく、ヒトという生物がもつ本来の生命力をよみがえらせるということに他なりません。
生命力という観点からすれば、食事、睡眠、運動などはどれも、一見バラバラのように見えますが、健康の維持や、より幸せに生きることと、つながっているのです。
何より理解いただきたいのは、食事、運動、睡眠、思考、そして生き方は、すべてつながっているということだ。これらすべてが健康と幸福に関わっている。当たり前のことのようで、この考え方は西洋の思想、科学、とりわけ現代医学に真っ向から対立するものだ。それら現代西洋の考えは、問題をいくつもの要素に分け、その中から機能不全になっているものを見つけ出し、それだけを直そうとする。機械ならそれでうまくいくだろう。だが、わたしたちは機械ではない。野生動物なのだ。ワイルドであろうとするなら、複雑さをそのまま受け入れるべきだ。(ジョンJ.レイティ、リチャード・マニング『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』 野中香方子 訳 p11)
食事や運動を変化させることが、野生の体を取り戻す引き金になる
しかしいきなり都市生活から離れ、何か月も野山で暮らす、といったようなワイルドな生き方を始めることを、本書は推奨しているわけではなく、自分の生活を変化させるための「引き金」を見つければ良いのだと、著者は述べます。
まずは自分の「引き金」を見つけよう。(中略)ある変化が引き金となって、ほかのことが次々に変化していく。引き金は、人生に大きな変化をもたらす最初の一歩なのだ。食べ物、マイクロバイオーム、運動、睡眠、マインドフルネス、家族や仲間、バイオフィリア――そのいずれもが引き金となり、相互に影響し合う。(ジョンJ.レイティ、リチャード・マニング『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』 野中香方子 訳 p280)
あなたの引き金が何なのか、筆者にはわからないが、自分の経験から、まずは食べ物か運動、もしくはその両方から始めることをお勧めする。本書では数多くのテーマについて語ってきたが、食べ物と栄養については最も研究が進み、理解も深まっている。食べ物と栄養は生きていく上で欠かせないが、現代のそれは、人間が種として形成された時代のものとは根本的に異なっている。したがって、この二つを正すことなく、いい方向へ向かうことはできない。
だがうれしいことに、その軌道修正はそれほど難しいことではない。(同)
ジョンJ.レイティ、リチャード・マニング 『GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス』 野中香方子 訳 NHK出版
ちなみに、本書『GO WILD』で語られているのは、以下のようなことについてです。
- 食事(低炭水化物食)
- 運動(トレイルラン、裸足ランニング)
- 十分な睡眠
- 瞑想(マインドフルネス)
- マイクロバイオーム(微生物)
- バイオフィリア(自然との関わり)
- 同族意識(トライブ)
- ストレス・トラウマの改善
『GO WILD』で野生の体を取り戻すのは、ゆるやかに。
先ほども書きましたが、長年の間、都市生活を続けていたにも関わらず、いきなり野生の体を取り戻そうとしたところで、なかなかうまくいきません。
また都会の生活にどっぷりと浸かっていた場合、本書を読んでも、ワイルドに生きることを実践するのは無理だと感じるかもしれませんし、実践したところで、気づいたら元の都市生活に戻ってしまっているかもしれません。
しかし、本書『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』のなかで、「その軌道修正はそれほど難しいことではない」と書かれているように、野生の体を取り戻すことは、決して机上の空論ではないように思います。
大切なのは、「まずは自分の「引き金」を見つけよう」と書かれている通り、試しに食事や運動、睡眠を見直したり、マインドフルネス瞑想やトレイルランを日々の生活に導入したりすることで、毎日が以前よりも<気持ちよい>と感じることだと思われます。
そして、もしいつもより身体の調子が良くなったり、幸福な気持ちを感じられたりしたならば、自分で野生の体を取り戻すことを続けたいと思うはずです。
以上、ここまで『GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス』の書評・感想を書いてきましたが、本書『GO WILD』を手に取ったことが、みなさまにとってゆるやかに生命力を高めるきっかけになることを、私自身、願っています。
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『食品業界は今日も、やりたい放題』 小藪浩二郎 著
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『食品業界は今日も、やりたい放題』(小藪浩二郎 著)を生命力と日頃の食生活を考えるための一冊として取り上げたいと思います。
小藪浩二郎氏の『食品業界は今日も、やりたい放題 食品メーカー研究者のあぶない話』は、普段、私たちが無防備に食品添加物を摂取していることを考えさせられる一冊だといえます。
「私たちが無防備に食品添加物を摂取していることを考えさせられる」と書いたのは、たとえば、本書の「はじめに――放射能より恐い食品業界」で、著者の小藪浩二郎氏は、以下のように書いているからです。
「食品の安全性について、放射能より食品業界の〝やりたい放題〟ぶりのほうが悪影響を与えている」と書けば、読者はいぶかしく思うでしょうか。
東京電力福島第一原子力発電所の大事故で大気中に放出された放射性物質は農水産物を汚染し、その影響は日本国民すべてに不安を与えています。
安心を求める消費者は、自分で山地を選択するなど、放射能の影響を小さくできるようにおのおの努力・工夫されていることでしょう。
また、国や自治体も、それが十分かどうかはともかく、規制値などを設定し、また放射能を実際に測定して、「食の安全」を守る態勢をとっています。
こうした日本の状況を眺めながら、私は不思議に思うのです。
放射能に汚染された食品については神経質になるのに、それ以上に危険性を持つかもしれない添加物まみれの食品を平気で食べつづけることに不安を抱かないのはなぜだろう、と。(小藪浩二郎『食品業界は今日も、やりたい放題』 p2)
また、本書の「おわりに―本当に大切なもの」には、以下のような一節があります。
本書をお読みいただいたみなさんにはおわかりのとおり、現在の法制度では、どんな不純物がどれくらい含まれているかもわからない添加物が食品に使われています。化学合成物でありながら「食品扱い」のため、表示の必要もなく使い放題な添加物があります。悪魔の脂肪酸「トランス脂肪酸」がどれだけ含まれていても問題なしです。(小藪浩二郎『食品業界は今日も、やりたい放題』 p222)
目隠しされている食品添加物の実態
食品添加物の問題に関しては、消費者ひとりひとりが、食品添加物の危険性や問題点を知ろうとし、日頃から口にしている食品に対する意識を高めていくことは、もちろん大切なことです。しかし消費者側から見れば、食品添加物が使われている加工食品の多くは、一見、安心・安全であるかのように見せかけられていることも、非常に問題であるように感じます。
たとえば驚くべきことに、ファストフード店やスーパーマーケットなど、店内で製造・販売されているものや、コーヒーフレッシュのようにパッケージが小さいもの、あるいは栄養強化剤や加工助剤といった目的であれば、食品添加物が使われていても、食品衛生法で定められている「表示免除」によって、使用した食品添加物を表示しなくても良いのだといいます。
また、「添加物メーカーや食品メーカーは、「一つひとつの添加物を書くとたいへんで煩雑になるうえに、表示するスペースが大きくなる」と主張する」ためか、「PH調整剤」や「乳化剤」、「イーストフード」「香料」「酸味料」などは、添加物として使われている物質名を全て表示しなくても良いそうです(「一括表示」)。
そのため商品のパッケージ裏に「PH調整剤」や「乳化剤」とだけあっても、その名称の背後に何種類もの添加物が使われている可能性があるのだといいます。
食品業界は今日もやりたい放題!?
そのほか、本書『食品業界は今日も、やりたい放題』を読むと、
など、それほど体に悪くなさそうな名称で、当たり前のように使われている食品添加物の多くは、決して安全性が保障されているわけではない、ということが分かります。
小藪浩二郎『食品業界は今日も、やりたい放題』 三五館
これらのことは食品業界の実態のうちのごく一部ですので、より詳しく食品業界の闇について知りたい方は、小藪氏による『食品業界は今日も、やりたい放題』を実際に読んでみていただきたいと思います。
最後に、危険な食品添加物を極力使わないように努力している良心的な食品メーカーもたくさんあることは十分承知していますが、本書を読んで感じたことは、食品メーカーも添加物メーカーも、現行の法律や消費者が食品に対して無関心であることを隠れ蓑にして、いかに見た目を良くするか、コストが抑えられるか、美味しく出来るか、日持ちさせるか、ということばかりを優先させているということです。
そして、消費者の健康をそっちのけにしている現場の状況が、消費者の問題意識によって大きく変わらない限り、「食品業界は今日も、やりたい放題」なのだということです。
『加工食品には秘密がある』 メラニー・ウォーナー 著 楡井浩一 訳
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『加工食品には秘密がある』(メラニー・ウォーナー 著 楡井浩一 訳)を生命力を考えるための一冊として取り上げたいと思います。
メラニー・ウォーナー氏の『加工食品には秘密がある』は、原著が2013年にアメリカで出版されていますが、加工食品が中心になっている日頃の食生活を省みるために、現代社会に生きる日本人にこそ手に取っていただきたい一冊だと感じます。
とはいっても、この『加工食品には秘密がある』は、手軽で便利な「加工食品」自体をからだに悪い食べ物だとして、糾弾したり警鐘を鳴らしたりするために書かれているわけではありません。
本書の著者であるメラニー・ウォーナー氏は2004年からニューヨークタイムズの常勤ライターとして、食品産業への取材を始めており、現在はフリーランスのライターとして活躍しているそうなのです。
そのため、本書の視点は栄養学や生化学の専門家や食品の研究者といった特定の立場からのものというよりは、自分や子どもの健康を気づかう一人の市民のものなのであり、最初の「はしがき いつまでも腐らない食品」では、以下のようなくだりから始まるのです。
もう何年も前、スーパーマーケットへ行って、箱入りのシリアルやら袋入りのクッキーやらを両腕にかかえきれないくらい買い込んだことがあった。《ニューヨーク・タイムズ》で食品業界についての連載を始めて間もないころで、パッケージに印字された賞味期限を過ぎた食べ物はどうなるのだろうと疑問に思っていた。クッキーはかびが生えたり、履き古した靴みたいな味になったりするの? シリアルには虫が湧くの? わたしは、買ってきた品物を全部、キッチンの隅に一年近くしまい込んだ。表示された期限が過ぎ、さて箱や袋をあけてみると、なんとも拍子抜け。シリアルもクッキーも、見た目と言い味と言いまったく正常で、ついさっき買ってきたかのようだった。(メラニー・ウォーナー 『加工食品には秘密がある』 楡井浩一 訳 p9)
そのあと、メラニー・ウォーナー氏は、以下のように書き連ねています。
この不朽不滅ぶりは、いったい何なのだろう? 普通なら残り物や余り物に喜んで食いつくはずのかびやバクテリアが、これだけの数の食品に見向きもしないというのは、いったいどういうわけ? パッケージに印字された日付は、〝賞味〟できる〝期限〟とはほとんど関係がないような気がしてきた。とすると、この日付は何を意味するのか? どこからどう見ても人間が食べるために作られたものなのに、自然の腐敗作用を免れるなどということがありうるのだろうか? わたしたちは子供にいったい何を食べさせているのだろう?(メラニー・ウォーナー 『加工食品には秘密がある』 楡井浩一 訳 p10)
要するに、「加工食品」が腐らないという不自然さについて疑問に思ったことが、メラニー・ウォーナー氏の食品業界へ取材する主な動機になっているのです。
『加工食品には秘密がある』 メラニー・ウォーナー 著 楡井浩一 訳 草思社
また、同じ「はしがき」のなかで、以下のように書かれていますが、加工食品が溢れ返っているアメリカの<食>の状況は、海の向こうの話ではなく、日本でもそれほど違いは無いように感じられます。そのため、以下の引用文の「アメリカ」の部分を「日本」に置き換えて読んでみたところで、決して不自然ではないのです。
今日の食の選択肢の幅広さ、めまいのするような豊かさを思うと、ついつい忘れてしまいがちだが、スーパーマーケットの棚に並ぶ商品、ファストフード店のメニュー板を埋める品目の大半は、一世紀前には存在もしていなかった。出来合いの食品、調理済みの食品、たいていは持ち歩ける食品の数々が、アメリカの津々浦々にあふれかえっているこの光景は、人類史上最も劇的な栄養学上の転換を象徴している。食は人なりという格言が正しいとすれば、現代アメリカ人は二十世紀初頭のアメリカ人と異なる栄養組成を持つ別人種だ。母集団として見ると、わたしたちは一九〇九当時の同国人と比べて、二倍の添加脂肪分、二分の一の食物繊維、六〇パーセント増の添加糖分、三・五倍の塩分、圧倒的に大量のコーン成分および大豆成分を摂取している。(メラニー・ウォーナー 『加工食品には秘密がある』 楡井浩一 訳 p13)
アメリカの食卓に起こったこの大規模な改造の問題的は、人間の生物学的機能がそれに対応できないことにある。わたしたちの体が食べ物を代謝するその仕組みは、石器時代にとどまり、はるか前方を行くチーズウィズやコーンフロスト、植物油で揚げたクラッシック・チキンクリスプには到底追いつけない。斬新にして高度な数々の食品操作が、人間本来の体内地理を大きく損ない、意図せざるさまざまな結果をもたらしている。食べ物を解体したうえで工業的に再製するということを始めると、往々にして生物学的な道理には沿わなくなる。(同)
ここで「アメリカの食卓に起こったこの大規模な改造の問題的は、人間の生物学的機能がそれに対応できないことにある」とありますが、人間の複雑な代謝過程において、原始時代には無かった加工食品がどのような影響を与えるのかは、未知な部分が多いと思われます。
そのため、食品メーカーが、特定の食品に対して、<適度に摂る分には、健康被害はない>と考えていたところで、慢性的に加工食品を摂取した場合、今後、身体に対してどのような影響が与えられるのか、はっきりしたことは言えないように思われます。
つまり、「加工食品」は食べるだけで病気になってしまうような100%体に悪い食べ物であるとは言い切れませんが、かといって、メーカー側がどのような主張をしたとしても、「加工食品」である限り、「安心・安全」な食べ物であるとも言えないのです。
そして、この<「加工食品」である限り、「安心・安全」な食べ物であるとも言えない>という視点を持つことが、現代の食生活においては、大切になってくるように思うのです。
食品会社の経営者たちは、悪人でも、怠け者でも、独創性を欠いた輩でもない。〝健康食品〟の条件とは何かについては、儲け第一のご都合主義に走っているかもしれないが、それは自分たちが得意なこと、報酬をもらえることをやっているからにすぎない。つまり、食品を自分たちに儲けをもたらすような形で工業的に加工すること、そしてその製品をとことん売り込むことだ。そのためには、多くの場合、健康的に見えるが実際にはそうではない製品を作らざるをえない。(メラニー・ウォーナー 『加工食品には秘密がある』 楡井浩一 訳 p250)
『加工食品には秘密がある』 目次
第1章 不気味なサイエンス―「食品」の形にする
第2章 旗を振る化学者―「安全で健全な食品」
第3章 不朽のチーズを求めて―プロセスチーズが変えたもの
第4章 押出成形と膨化―箱入りシリアルの秘密
第5章 ハンプティ・ダンプティ、元どおり―「ビタミン」はどこから来るか
第6章 化学の力でよりよい暮らしを―わけのわからぬ添加物
第7章 大豆の未来図―工場製の植物油
第8章 水増しされた肉―こんなところに大豆蛋白
第9章 なぜ鶏肉に鶏肉の風味をつけるのか―「香料」の魔術
第10章 健康的な加工食品―ちょっぴり健康的に
第11章 お家でのんびり、もぐもぐ―「調理不要」という魅力
ところで「加工食品」や加工食品に含まれる「食品添加物」の問題について語ると、からだに「悪い」か「悪くないか」という二項対立で語られ、「加工食品」そのものに対して神経質になったり、時に「加工食品は食べ物ではない」などと、感情的になったりします。
私自身は「生命力を高める」という立場から、加工食品や食品添加物は「からだに良くはない」とする立場ですが、かといって、現代社会において、加工食品無しで生活するのは、言葉にするのは簡単ですが、実際に実践し続けるのは、よほど高い志を持たない限り難しいように思います。
真の意味で食べ物らしい食べ物、つまり収穫あるいは生産されたその時点から腐敗が始まる有機物だけを摂取する食生活が理想には違いないが、そういう食物連鎖の頂上に誰もが立てるわけではない。大多数の消費者にとっては、何かをあきらめてかわりに何かを得る交換条件の見きわめこそが、より健全な食生活への鍵と言っていいだろう。そのためのヒントが、本書の至るところにちりばめられている。とりわけ11章は、実例集として有用性に、そして感化力に富む。(メラニー・ウォーナー 『加工食品には秘密がある』 楡井浩一 訳 p280)
本書『加工食品には秘密がある』を訳した楡井浩一氏はこのように「訳者あとがき」で記していますが、「大多数の消費者にとっては、何かをあきらめてかわりに何かを得る交換条件の見きわめこそが、より健全な食生活への鍵」とする、楡井氏のこのような考え方に、私自身も共感するのです。
これから便利さと引き換えに何を失っているのか、考えなくてはならない時代に突入しているように思います。
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これからは波動医学の時代―船瀬俊介『未来を救う「波動医学」』
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『未来を救う「波動医学」』(船瀬俊介 著 共栄書房)を生命力を考えるための一冊として取り上げたいと思います。
医療問題や環境問題について多くの本を執筆しているジャーナリスト・評論家である船瀬俊介氏の『未来を救う「波動医学」 瞬時に診断・治療し、痛みも副作用もない』は、波動医学の時代の到来を予感させる一冊だといえます。
船瀬俊介氏の著作の多くは、一冊でも船瀬氏の著作に目を通したことがある方はご存知だと思いますが、深刻な医療問題や環境問題の背景にある闇の黒幕・悪の正体として、利益を貪る巨大企業や一部の金融資本家を槍玉に挙げているところが特徴だと思います。
そのように陰謀論のように読めてしまうという点では、船瀬俊介氏の著作は基本的に読者を選ぶといえるのかもしれません。
今回ご紹介する『未来を救う「波動医学」』においても、「現代医療の利権を支配する悪魔的〝闇の勢力〟」のことが書かれていますし、「波動医学」と聞いただけで、どこか胡散臭いイメージもつきまとってくるのではないでしょうか?
そのため「波動医学」の力を簡単に信じることは難しいのかもしれませんが、「波動医学」についてとりあえず知るための入門書としては、この船瀬俊介氏による『未来を救う「波動医学」 瞬時に診断・治療し、痛みも副作用もない』は最適な一冊だといえるかもしれません。
波動医学とは何か?
ところで、いきなり「波動医学」と言われてもピンとこない方は多いかもしれませんが、船瀬氏は本書のプロローグにおいて、以下のように述べています。
「生命」とは何か?
それは「エネルギー」です。
「生命エネルギー」とは何か?
それは「波動エネルギー」です。
「生命体」とは「波動エネルギー体」なのです。
(船瀬俊介『未来を救う「波動医学」』p9)
生体と物体は、どうちがうのでしょう?
生命には、自らを正常に保とうとする力が存在します。それが、ホメオスタシス(生体恒常性維持機能)です。生命体には、常に「恒常性」を「維持」しようとする「機能」が内在するのです。これは、無生物(物体)には存在しない機能です。
このはたらきが、自然治癒力の根源です。
(同)
生体は傷ついたり、病んだりしても、それを自ら修復する作用があるのです。
生命体は、様々な生命活動を営んでいます。
自らと同じものを生み出す機能が備わっています。生殖能力です。
生命体とを特徴づけるものは「修復」「活動」「生殖」といえます。
三大特徴すべてに波動エネルギーが、関わっているのです。
本書は、その驚くべき実態を明らかにしていきます。
(船瀬俊介『未来を救う「波動医学」』p9~10)
船瀬俊介『未来を救う「波動医学」 瞬時に診断・治療し、痛みも副作用もない』 共栄書房
船瀬俊介氏は「生命」とは「エネルギー」であり、「生命エネルギー」とは「波動エネルギー」だと述べていますが、「波動エネルギー」は、私たちを活かしている力、すなわち「生命力」と深く関係していると私自身は思うのです。
しかし西洋医学においては、「波動」(ヴァイブレーション)と「生命」の関係を簡単には認めようとはしない傾向があるようです。
現代医学の主流は、西洋医学です。東洋医学は、徹底排除されています。
西洋医学は、生命を物体ととらえています。それが「機械論」です。近代医学は、この生命「機械論」から出発しているのです。つまり、生命体も、所詮は物質にすぎず、それは――精巧な機械のようなものだ――という発想です。(船瀬俊介『未来を救う「波動医学」』p10)
私たちの生命は「波動」によって支えられていると考えてみる
ちなみに本書では「波動医学」との関係性として以下のことなどが挙げられます。
「波動」の世界は「見えない」ために気づくのが難しいですし、「波動」というとすぐに「インチキ」や「オカルト」だと見なされてしまうかもしれません。実際、占い師や霊能力者を自称し、人の「波動」を読み取ることで高額な金銭を要求する霊感商法も絶えないわけですが、しかし、そもそも私たちの生命は「波動」によって支えられていると考えるほうが、近代の合理的世界観から波動を「無いもの」と捉えるよりも自然であるように思います。
たとえば日常生活のなかでも、自分がずっといたくなるような場所を見つけたり、何となく嫌な感じがする場所に遭遇したりすることは多々あると思います。
また自然散策をした際に、川のせせらぎの音や、小鳥のさえずりなどに癒されることもあると思います。
もちろん人間関係において、接する人によって元気になったり、気持ちが落ち込んだりするのも、人が放つ波動や気というものが関係していると考えられます。
そしてこのようなことの多くは波動医学と関係してくるため、生命力を高めて病気を予防する生活を送るためには、自分が気持ちよい、心地よいと感じる場所・環境に身を置くことを選択してみることも必要になってくるように思います。
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ちなみに前回の記事で紹介したロバート・O・ベッカー博士の『クロス・カレント 電磁波―複合被爆の恐怖』は、船瀬俊介氏が訳していますが、人工の電磁波に長時間さらされることを避けるのも、波動医学による処方箋だと考えられます。
『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』 ロバート・O・ベッカー 著
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』(ロバート・O・ベッカー 著 船瀬俊介 訳 新森書房)を生命力を考えるための一冊として取り上げたいと思います。
このロバート・O・ベッカー博士による『クロスカレント』は「電磁波―複合被爆の恐怖」という副題が示す通り、「電磁波」の人体に対する影響や、その危険性について述べた一冊です。
私たちは普段、テレビや電子レンジといった多くの電化製品に囲まれて暮らしています。また、情報化社会である現代においては、パソコンや携帯電話、スマートフォンなどの近くで一日中過ごす方も多いのではないでしょうか?
しかしそのような現代社会のなかで、見過ごされがちなのが、「電磁波」の問題です。
「電磁波」といってもピンとくる方は、意外と少ないのかもしれません。
実際、日本では家電や情報端末などが放つ人工の「電磁波」による健康被害については、利益最優先の風潮のためか、マスコミによってほとんど報道されていないため、たいして問題視されていない印象を受けます。
しかし人工の「電磁波」の有害性として『クロスカレント』では、
- 成長中の細胞への影響。癌細胞の成長促進など。
- ある種の癌発生。
- 胎児(胚)の異常発育。
- 神経科学物質の変化。これが自殺のように、行動異常を引き起こす。
- 生理的周期(リズム)の変容。
- ストレス反応。継続すると免疫システム機能の低下を招く。
- 学習能力の低下。
などが挙げられているのです。
また、ベッカー博士は、慢性疲労症候群などの症状をはじめとして、がんやうつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、小児自閉症などの病気も、電磁波と関係があることを示唆しています。
『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』(ロバート・O・ベッカー 著 船瀬俊介 訳 新森書房)
私たちの生体は、常に電磁波の影響を受けている
これらの人工の電磁波の有害性を眉唾だと思う方もいらっしゃると思いますし、科学者の立場にあるのであれば、人工電磁波の健康に対する悪影響については、まだはっきりとしたことは分かっていないと述べることで、むやみに人々の不安感を煽ることを避けるのかもしれません。
かくいう私自身も、この記事で電磁波の危険性を声高に訴えたいわけではありません。
しかし、私たちの生体は、常に電磁波の影響を受けていることを知らなければならないように思うのです。
そして、慢性疲労をはじめとした身体の不調の原因や、がんなどの病気の発症に、長時間、電磁波を浴び続けていることが、実は関係しているのではないか、ということを想像してみる必要があるように感じるのです。
私たち生命は自然の電磁波によって生かされてきた
ちなみに「電磁波」というと、電化製品や情報端末、コンセントなどから放たれているものを想像しがちですが、まず私たち生命は、地球上の自然の電磁波によって生かされていることを知らなければなりません。
太陽風の粒子に加えて、太陽はたとえばX線のような有害な電離放射線と、その他の高エネルギー放射線を大量に放射している。地球を覆う〝地球磁気圏〟は、これら放射線を吸収したり、脇にそらしたりして地球を守ってくれているのだ。
この防御がなければ、磁気圏の外の環境で、生命が長く生きえないのと同様、生命は地上にも存在しえない。(『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』(ロバート・O・ベッカー 著 船瀬俊介 訳 p56)
地球は、昼夜の周期でこの複雑な電磁場の中で回転している。地球磁気圏そのものが回転して変化するわけではない。それ自身は宇宙空間に定まった形で一定している。一方は常に太陽に向かっている。このため、自転している地球の表面は、いかなる地点も常に一定の磁場の変化にさらされる。一日周期の、この電磁場強度の上下動こそ、生物学的リズムの源となっている。(『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』(ロバート・O・ベッカー 著 船瀬俊介 訳 p56~57)
これまで述べてきたように、地球磁場は太陽エネルギーの攻撃という危機から、地球を覆いまもってくれる保護層でもある。これなしでは、生命は存在できない。
しかし、今日、人類は電磁エネルギーを起こす方法と、それを操作する知恵を身につけた。つまり、われわれは、この保護層の下に、かつて存在していなかったもう一つの〝危機〟を生みだしてしまったのだ。(『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』(ロバート・O・ベッカー 著 船瀬俊介 訳 p73)
私たち生命は太古より、自然の電磁波の海のなかで生かされてきたのですが、時代が進むにつれて、もうひとつ、簡単に逃れることはできない人工電磁波の海のなかでも生きることになったのです。
人類が電磁波を利用することによって地球レベルの環境に変化がもたらされた。人工的な電磁波は、人間をはじめとするすべての生命に影響を与える。さらに、ウィルスが今まで地球に存在しなかった新しいエネルギーにさらされることになった。電磁波がいかに、病気の発生に変化をもたらすような、異常な生物学的な影響を与えるかは後に詳しく述べるが、この相互作用が、新しい病気や以前からあった多くの病気における、予想されなかった変化の真の原因である。(『クロスカレント 電磁波―複合被爆の恐怖』(ロバート・O・ベッカー 著 船瀬俊介 訳 p20)
カラダの不調は電磁波の影響?
しかし先程も似たようなことを述べましたが、私はこの記事で家電や情報端末が放つ電磁波に対して過剰なまでに神経質になれと申し上げたいのではありません。
また電磁波対策グッズを揃えることも、電磁波の被害から免れるための手段のひとつですが、(電磁波過敏症の方はともかくとして)この記事で必要以上に電磁波対策グッズを買い込むことを奨励したいわけでもありません。
もし一日中、スマホを操作したり、パソコンのディスプレイを眺めたりしていて、どこか身体の疲れが抜けにくかったり、具合が悪かったりするならば、食べ物や運動不足以外にも、「電磁波」による影響を疑い、長時間、電化製品に接するのは避けるようにしてみることが大事だということです。
森林浴は手軽に出来る電磁波対策
そして、人工の電磁波の影響が少ない自然が拡がる場所にこまめにおもむき、リラクゼーションのためにしばらくの間、森林浴などを行ってみる。このことはお金をかけずに手軽に出来る電磁波対策のひとつなのであり、それと同時に生命力を高めるための秘訣なのです。