本物の塩のミネラル効果が生命力を高める理由
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べています。
今回は本物の塩のミネラル効果が生命力を高めるわけについて書いていきたいと思います。
「塩」というと、高血圧の原因になるという理由から、日頃の食生活においては、減塩することが常識になっています。
しかし「塩」についてよく調べていくと、塩こそ生命にとって必要であるため、塩分の摂り過ぎが高血圧を引き起こすという思い込みによって、普段から塩を敬遠し、塩をあまり摂らないようにすることも、健康のためには良くないようなのです。
こういうことを書くと、すぐに反論されてしまいそうですが、しかし問題は体に良い「塩」も、体に悪い「塩」も、ただ単に「塩」という言葉によって一緒くたにされていることのように感じます。
先に塩についてのポイントを分かりやすく挙げてみると、以下になります。
- 海水に近い塩の成分は、ミネラルバランスが整っており、生命にとって必要。
- もしきちんとした塩を摂らなければ、ミネラルが不足し、様々な体調不良を引き起こす。
- 「食塩」という名で低価格で販売されている、塩化ナトリウム以外のミネラルは不純物であるとして取り除いた塩こそ、高血圧の原因になる。
このあたりのことについては医学博士の森下敬一氏が、『血液をきれいにして病気を防ぐ、治す』のなかで、簡潔に述べています。
塩は摂り過ぎると高血圧になるとか、減塩すれば健康になるというのが現代医学の考え方ですが、これは大きな間違いです。減塩しただけで血圧の下がる人はほとんどいませんし、塩分を摂ると血圧が上がるというのも事実ではありません。
健康な人間の身体なら、余分な塩分は排出する調節機能を持っているからです。そのため血圧には、あまり影響しません。(略)
ただし、塩といっても、自然塩と化学製品である化学塩とは区別して考えねばなりません。いわゆる「九九・八パーセントの科学塩」は、塩化ナトリウムという化学物質にすぎませんから、本来「食塩」と呼ぶべきではありません。この塩化ナトリウムが、内臓に悪さをしたり高血圧を引き起こしたりします。
一方、食用として用いられる自然塩は、海塩や岩塩などの自然界に存在する塩で、硫黄、鉄、銅、亜鉛、コバルト、マンガンなどといったさまざまなミネラル分を含んでいます。生命が求める本来の塩です。もちろん高血圧を起こしたりはしません。(森下敬一『血液をきれいにして病気を防ぐ、治す』p109~110)
また、『日本人には塩が足りない!』(村上譲顕 著)のなかで非常に詳しく書かれていますので、引用してみたいと思います。
現在、塩事業センターが販売する『食塩』(商品名)は塩化ナトリウムの純度が九九%以上と定められています。また、輸入の天日塩を精製加工した『精製塩』(商品名)の塩化ナトリウム純度も九九%以上です。
そもそも明治時代、塩の専売制度をはじめたときに、「塩=塩化ナトリウム」と考えたことが、「塩化ナトリウムの純度が高いほど高品質な塩である」という「迷信」を作り出してしまったのです。
しかも、このとき同時に「塩化ナトリウム以外のミネラルは不純物である」と誤った認識が広まってしまったのです。
しかし、私たちにいわせれば、その「不純物」こそが生き物にとって「有用なミネラル」なのです。
塩の主成分は塩化ナトリウムですが、それはあくまで主成分であって、「塩そのもの」ではありません。(村上譲顕『日本人には塩が足りない!』p46~47)
塩に含まれるナトリウムの機能のひとつとして、血圧を上げる作用があることは間違いありません。
しかし、そのナトリウムの力を利用しているのは、私たちの体のほうなのです。
塩をとることによって、かんたんに生命維持に必要な血圧を保つことができるのです。無理に減塩してナトリウムが不足すれば、全身に血液をめぐらせるのに必要な血圧を保てなくなってしまうのです。(村上譲顕『日本人には塩が足りない!』p70)
ナトリウムをとりすぎると、血液中のナトリウム濃度が高くなります。すると、ナトリウムを薄めようとして細胞の水分を吸収したり、かわきを感じて水を飲んだりして、血液量が増えます。限られた血管内の液量が増えるので、血圧が上昇するというわけです。
ただこれは一時的な現象で、ナトリウムは時間とともに腎臓から排出されて、上昇した血圧は自然に解消されます。
ところが、ナトリウムだけを単独に過剰摂取した場合は、体液のミネラルバランスが乱れて、腎臓からナトリウムを排泄することが困難になるのではないかと、私は推測しています。
とすれば、問題は塩にではなく、ミネラルバランスを無視してナトリウムだけを単純に過剰摂取するところにあるのです。(村上譲顕『日本人には塩が足りない!』p77)
ですから、ナトリウムをとるときは、ほかのミネラルもバランスよくとるべきなのです。特に必要なのがカリウム、カルシウム、マグネシウムです。
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムは「四大ミネラル」とでも呼ぶべき、体にとって大事な無機成分です。
ミネラルバランスが整えば、新陳代謝が促進され、血流はよくなります。
そのためにも、ミネラルバランスの整った、海のエキスとしての塩をとることが何よりも大事だと、私は思っています。(村上譲顕『日本人には塩が足りない!』p82)
塩のミネラルにあるデトックス効果
塩の大切さについて、村上譲顕氏は『日本人には塩が足りない!』のなかで分かりやすく述べていますが、「伝統海塩」と呼ばれる塩の不足によってミネラルバランスが崩れてしまうと、高血圧だけではなく、低体温による免疫力の低下やうつなどが起こってくるといいます。
このことはおそらく、ミネラルにはデトックス(毒出し)効果があるため、からだにとって必要なミネラルが不足してしまうと、体内に毒や不要物が溜まりやすくなってしまうこととも、関係があるのだと思います。
もちろん、だからといって塩をたくさん摂り過ぎることは体に良いことではありません。きちんとした塩を不足しないように適度に摂るようにすることが健康を保つうえで大切なのです。
そのためには、様々な加工食品に含まれている食塩(塩化ナトリウム)を減らすことで、塩分の1日の摂取量をコントロールすることも必要になってきます。
おすすめの「塩」は?
では、人のカラダにとって必要不可欠な塩を摂るには、どのような塩を選べばよいのでしょうか?
塩といってもピンからキリまでありますし、なかには500gで2000円くらいの値段がついている塩もあります。
塩を選ぶ際は、きちんとミネラルがバランスよく含まれているものをラベルを確認しながら選んでいただきたいと思いますが、私がこの記事でオススメしたいのは、『日本人には塩が足りない!』の著者である故・村上譲顕氏が設立した会社である海の精が販売している伝統海塩「海の精」です。
実際に私自身が購入してみましたが、「海の精」は、からだが思わず欲してしまうような、今まで味わったことがない塩でした。
また値段も500gで1300円程度と、手に取りやすい価格です。
ちなみに栄養表示を見ると、きちんとミネラルがバランスよく含まれていることが分かります。
そのため、「海の精」ならば初めての方でも安心して確実に本物の塩を味わうことができます。
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また、源気商会のクリスタル岩塩も、非常にミネラルバランスが整った塩として、イチオシすることができます。
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なお、塩のミネラル効果についてより詳しく知りたい方は、こちら↑の一冊がおすすめです。
以上が、本物の塩のミネラル効果が生命力を高める理由についてです。
玄米リブレフラワーのデトックス・毒出し効果がおすすめなわけ
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べています。
今回は以前に記事で紹介した「玄米リブレフラワー」のデトックス・毒出し効果について書いていきたいと思います。
以前の記事で玄米リブレフラワーは生命力のアップや食養生、病気予防にオススメだと述べましたが、なぜそのようにオススメできるのかといえば、「玄米リブレフラワー」は、消化吸収に優れており、かつ、(便による毒素排泄という意味での)デトックスにも効果を発揮してくれるからです。
このあたりのことについては、酵素栄養学の第一人者である鶴見隆史氏が『現代版食物養生法』(評言社)のなかで詳しく述べていますので、引用してみます。
リブレフラワーは、生きた栄養素の塊りです。ここに存在しない栄養素は、ビタミンA、C、Dくらいで、繊維素はもとより、その他のほとんどすべての栄養素が満ちあふれています。
玄米の粒でも当然、同様の栄養素は存在するのですが、どのように炊いても、いくら噛んでも消化吸収しにくいというのに反し、リブレは粉(二十五ミクロン)であるが故に、きわめて消化吸収しやすいという大きなメリットがあります。栄養補給という面では最高の食品ということがいえます。(鶴見隆史『現代版 食物養生法』p262~263)
さらに、逆に毒素排泄をねらいたい人(たとえば、高血圧や肥満、高脂血症、糖尿病、その他)にも勧められます。
その理由は、多孔質の内容の繊維素が腸内で毒素吸着物質となって大量の良い糞便を形成するからです。良質な糞便とは、悪臭や腐敗臭の少ない、太くて長い茶褐色の形の、しっかりとした便のことであり、このような便が大量に出たときの体調はきわめて良好です。(鶴見隆史『現代版 食物養生法』p263)
生命力アップや元気に毎日を過ごす秘訣とは、腸内環境をきれいに保つことで、血液がキレイになることに加え、食べ物がしっかりと消化吸収されて、ビタミンやミネラルなどの栄養素が細胞と細胞内のミトコンドリアにきちんと届けられることだと思われます。
また、それに加えて睡眠や適度な運動も必要になってきます。
もしそのことがうまくいかず、過度のストレスや運動不足などによって腸内環境が悪化し、血液が汚れてしまうと、アトピーやうつといった症状も出てきてしまいます。
そのような状態にならないようにするためにも、玄米リブレフラワーは役立ってくれるのです。
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腸内細菌の食べ物「マック(食物繊維などの炭水化物)」が腸内の炎症を防ぐ
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べています。前回は『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』(ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ 著)を読んだ感想を述べましたが、今回はその『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』に、腸の健康について興味深いことが書いてあったので、そのことについて述べていきたいと思います。
前回の記事では、ソネンバーグ夫妻による『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』において食物繊維の重要性が強調されていたと述べましたが、では、食物繊維が不足した食事ばかりを行なっていると、どうなってしまうのでしょうか? そのことについて『腸科学』では以下のように書かれています。
食物繊維があまり体内に入ってこない時期には、腸内細菌はヒトの小腸の細胞がたえず分泌する粘液の炭水化物を食べて生きる。ご記憶のように、この粘液はヒト細胞が直接マイクロバイオータと接触しないようにはたらく防護壁だ。だから粘液の炭水化物を食べるということは、細菌が腸を守っている粘液層を食べてしまっているわけで、防御機能が衰えて炎症が起きる。小腸の粘液が減ることがヒトの健康にどのような長期的影響を与えるかはまだ知られていないものの、予備的な実験によれば小腸の粘液が失われると大腸炎になる恐れがあると考えられている。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p156)
つまり、「ヒト細胞が直接マイクロバイオータと接触しないようにはたらく防護壁」である粘液を、腸内細菌が食べてしまうそうなのです。そしてそのことによって「防御機能が衰えて炎症が起きる」というのです。
そのため、腸内の炎症を防ぐには、私たちの体内で共生している腸内細菌(マイクロバイオータ)に食べ物を与えるつもりで、食物繊維たっぷりの食事を摂ることが望ましいと考えられます。
「食物繊維」という言葉は不明確なので、ヒトが体内に取りこむ食物成分のうちマイクロバイオータの食べ物になるものを、私たち二人は「マイクロバイオータが食べる炭水化物」を意味するmicrobiota accessible carbohydrates(MAC)と呼ぶ。すでに述べたように、マックは果物や野菜、豆類、穀物などさまざまな食物にふくまれ、マイクロバイオータによって発酵される炭水化物のことである。食物や食物繊維サプリメントにふくまれる食物繊維には、マイクロバイオータのいる大腸まで到達せず発酵しないものもある。これらの発酵しない繊維質も便秘の改善にはとても効果があり、排泄物が水分を吸って嵩が増すので、良好な整腸作用が得られる。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p157)
だがマイクロバイオータに食べ物を与えて短鎖脂肪酸をつくってもらうには、やはりマックを食べる必要がある。マックをたくさん食べれば食べるほど、腸内の発酵が盛んになり、より多くの短鎖脂肪酸がつくられる。マイクロバイオータにどのマックを与えるかによって、腸内で繁殖する微生物群、マイクロバイオータを構成する細菌種の数(細菌集団の多様性)、この細菌集団が果たす機能が変わってくる。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原多惠子訳 p157)
食物繊維の摂取によって腸内細菌が生み出す短鎖脂肪酸にもからだの炎症を抑える働きがあるとされていますが、腸管のバリア機能の低下によるリーキーガット症候群(腸もれ)の問題も、食物繊維の不足が深く関係しているように感じられます。
やはり、腸内細菌を元気にし、炎症性腸疾患をはじめとした病気やアレルギーなどを予防するためには、ハンバーガーなどのファストフードばかりではなく、日頃から「マイクロバイオータが食べる炭水化物」(MAC)がたっぷりの食事を摂ることが大切なのです。
『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』の感想・レビュー
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は昨年発売された『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』(ジャスティン・ソネンバーグ、エリカ・ソネンバーグ 著 早川書房)を読んだ感想を書いていきたいと思います。
この『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』は、腸内細菌の働きや、これからの腸内フローラの可能性について関心があるすべての方にオススメしたいと感じた一冊でした。
本書ではヒトの体内に生息する微生物全般のことを「マイクロバイオータ」と呼んでいますが、そのマイクロバイオータは腸内でどのように形成されるか、ということをはじめとして、腸内細菌と免疫の関係、がんや自閉症などの病気との関連性、腸内環境を整えるための食事の方法、プロバイオティクス(有用菌を含む食品)の摂り方・注意点など、様々な話題について分かりやすく述べられています。
がん、糖尿病、アレルギー、喘息、自閉症、炎症性腸疾患など、おもに欧米でよく見られる病気や症状の原因が科学者によって解明されるにしたがい、マイクロバイオータがこうした病気や健康の諸側面に重要な役割を果たしていることがわかってきた。私たちの体内で暮らす細菌は、ヒトの健康のあらゆる側面に直接、間接に影響を与えているのである。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p11~12)
私たちの腸内の住人は数十万年にわたって進化してきたが、こんにち新たな試練に直面している。現代社会では、食習慣(高度に加工され、高カロリーで、工業生産された食品の摂取)や他の生活習慣(抗菌剤で殺菌された家に住み、抗生物質を乱用する)が変化し、これらの変化が腸内に棲むマイクロバイオータの健康そのものを脅かしているのだ。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p12)
特に本書『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』で強調されているのは、「食物繊維」の重要性です。食物繊維と腸内フローラの関係性については、以前記事でも書きましたが、『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』において、以下のように書かれています。
マイクロバイオータの多様性を高めるには、食物繊維の摂取を増やすのが欠かせない。腸内の微生物は、おもに食物繊維をふくむ複合炭水化物を食べる。デンプン質の多い食品や炭酸飲料に入っている、嫌われても仕方ない単純炭水化物はヒトの小腸で吸収されてしまい、大腸に暮らす微生物に届くことはまずない。複合炭水化物はこの単純炭水化物とは大きく異なる。いずれにしても、「食物繊維」という不正確な用語より、「マイクロバイオータが食べる炭水化物」を意味するmicrobiota accessible carbohydrates(MAC)を使うほうが好ましい。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p141)
食物繊維に含まれるこの炭水化物なら腸内の細菌の食べ物になる。マックをたくさん食べれば、マイクロバイオータに栄養を届け、腸内細菌の生存を助け、この細菌集団の多様性を改善できる。そのためには、工業化された現代社会の食物繊維に乏しい食事習慣から大きく転換しなければならない。わが家では、冗談で「ビッグマック・ダイエット」と呼ぶ食事を実践している。この食事は、果物、野菜、豆類、未精製の全粒穀物の複合炭水化物が豊富で、腸内マイクロバイオータを多様化し、その状態を維持するようにデザインされている。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p141)
一方、腸内細菌の多様性を奪い、マイクロバイオータの健康を損なう可能性が高いものとして示されているのは、加工食品、抗菌剤、抗生物質などです。
私たちの腸内の住人は数十万年にわたって進化してきたが、こんにち新たな試練に直面している。現代社会では、食習慣(高度に加工され、高カロリーで、工業生産された食品の摂取)や他の生活習慣(抗菌剤で殺菌された家に住み、抗生物質を乱用する)が変化し、これらの変化が腸内に棲むマイクロバイオータの健康そのものを脅かしているのだ。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p12)
私たちのマイクロバイオータは、一万年以上前に農耕が誕生して以来経験したことのない棲息地の変化に直面している。最小限度のマックと微生物摂取という欧米流の食事が、抗生物質や抗菌製品の頻用と相俟って、マイクロバイオータにさまざまな試練を突きつけているのだ。その結果、より伝統的な生活習慣の現代人は欧米で頻発する疾患の罹患率が低いが、欧米人の腸内細菌は多様性を失い、中心的な役割を果たす種を失ってしまっている。幸いにも、欧米人のマイクロバイオータを祖先のものからすばやく変化させた可塑性というものがあるのだから、マイクロバイオータの再生もまた可能なのだ。食事を改善し、抗生物質の使用を最小限にとどめ、自然(とそこにいるすべての微生物)とふたたびつながりをもつことで、マイクロバイオータの健康を改善できるだろう。(ジャスティン・ソネンバーグ,エリカ・ソネンバーグ『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 鍛原 多惠子訳 p275)
本書の最終章では、このように書かれていますが、『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』は、(まだまだ分かっていないことも含め)マイクロバイオータ(腸内フローラ)の様々な可能性や、私たちの健康との関わりについて、分かりやすく、そして詳しく知ることができる一冊だといえます。
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発芽玄米とリブレフラワーが病気予防と生命力アップ、食養生にオススメなわけ
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について書いていますが、今回は、玄米(発芽玄米・玄米リブレフラワー)の栄養効果について述べていきたいと思います。
玄米は古来から日本人の主食であり、健康的な生活を支えてきたと言われています。
その玄米には豊富な栄養素が含まれており、玄米の糠(ぬか)には、食物繊維以外にも、ビタミンEやビタミンB群、鉄や亜鉛などのミネラル類などが白米よりも多く含まれていることがよく知られています。
また、玄米は腸内の環境を改善するのに有効な食材だと考えられます。
なぜなら玄米には食物繊維が豊富に含まれているからです。
食物繊維には、便の構成要素となり、便量を増やす腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、消化物を速やかに移動させたり、発がん物質、有害菌、有害物質を吸着して、便として排泄したりする働きがあります。
つまり、便秘の予防・改善のために食物繊維は非常に有効なのです。また、もし便秘が長引いてしまうと、万病の原因にもなりますし、腸内フローラも悪玉菌が優勢になってしまいます。
しかし玄米の食物繊維を摂るうえで、ひとつ注意点があります。それは、玄米だけで食物繊維を摂らないということです。
その理由は、玄米の食物繊維は水に溶けにくい不溶性であるため、玄米だけから食物繊維を摂ろうとすると、かえって便秘になってしまう可能性が考えられるからです。
そのため、玄米で食物繊維を補おうとする場合は、水溶性の食物繊維もある程度摂ったり、水を普段より多めに飲んだりすることが大切になってきます。
玄米における「アブシジン酸」の問題
しかし、玄米に含まれる「アブシジン酸(ABA)」は細胞内のミトコンドリアの毒になるため、玄米を食べる時はこのアブシジン酸を無毒化して食べる必要があると言われています。
もし無毒化しないと細胞内のミトコンドリアの機能が弱まり、その働きが低下してしまうとされているのです。
細胞内のミトコンドリアは人間のありとあらゆる生命活動に必要な「ATP」と呼ばれるエネルギー通貨を必要な分だけ生み出しており、細胞の新陳代謝やエネルギー代謝にも深く関わってくるため、ミトコンドリアの働きがアブシジン酸によって低下してしまえば、そのぶん体調不良に陥ったり、様々な病気の発症の原因になっしまったりする可能性が否めません。
ですが、アブシジン酸(ABA)のために玄米を食べないようにする必要はなく、このアブシジン酸(ABA)を取り除く方法が三つ存在しています。それは以下の通りです。
- 12時間以上の浸水
- 遠赤焙煎(ロースト)かフライパンの空炒り
- 発酵
(参考 鶴見隆史『「酵素」の謎』)
発芽玄米ならOK!
『「酵素」の謎』の著者である鶴見隆史氏は、玄米から完全にアブシジン酸を取り除くには「12時間以上の浸水」が必要だと述べています。
そのため、もしアブシジン酸が気になる方は12時間以上の浸水を行ってから玄米を炊いたほうが良いと考えられます。
また、玄米を発芽させる方法も有効です。
玄米は、1~2日水に浸けておくと発芽させることが出来ます。その発芽させた玄米を炊くだけで発芽玄米を食べることができます。
この「発芽玄米」にすると、玄米の時よりも栄養素が吸収されやすくなったり、GABA(ガンマ-アミノ酪酸)と呼ばれる、リラックス効果や緊張や不安を抑制する効果があるアミノ酸の一種が玄米の3倍以上も増えたりするとされています。
ただし、玄米を1~2日水に浸けておく際は、雑菌が繁殖しないよう衛生に気をつける必要があります。また、発芽玄米を炊く際は普通の釜よりも圧力釜を使った方が良いと言われています。
玄米の短所を克服した玄米リブレフラワー
さらに玄米リブレフラワーであれば、玄米の難点が見事に解消されているため、優れた栄養食として、玄米を毎日の食生活に簡単に採り入れることが可能です。
ちなみにリブレフラワーとは、独自製法で高温焙煎し、25ミクロンに微粉末化した玄米のことです。
この玄米リブレフラワーのメリットの効用について、酵素栄養学の第一人者として知られている鶴見隆史氏は以下を挙げています。
- エネルギーの大幅なアップ
- ファイトケミカル(フェルラ酸他)が多く出現し抗酸化力を強く持つ
- フリーラジカルスカベンジャー効果を持つ
- その穀物の持つ薬効効果の増大
- 栄養素(ミネラル、ビタミン)の活性化(天日干しの効果)
- 毒素の腸内吸着素としての働き
- 食べ方の簡便さ
- 栄養の吸収率の増大
- ビタミンEとしての作用
- さまざまな応用の可能
- 免疫力の増大作用
(鶴見隆史 『現代版 食物養生法』 p229)
- 玄米リブレフラワーの効用
- きわめて酸化しにくい
- すべての栄養素に破壊がない
- デンプンがアルファ化(α化)している
- きわめて消化吸収がいい
- 強烈な毒素排泄効果
- 栄養素(特にミネラル、ビタミン)の活性化
- 完全に(一〇〇%)無農薬化している
- 食べ方が自由自在
- 他の素材と組み合わせるとその欠点が回避される
- 低カロリー食品である
- ダイオキシン・環境ホルモンの排出作用として一役
(鶴見隆史 『現代版 食物養生法』より)
特に玄米リブレフラワーは腸内の毒素を排出するデトックス効果が強いとされているため、玄米リブレフラワーを日頃の食生活に採り入れることは腸内環境の改善や腸のお掃除、免疫力のアップなどにつながっていきます。
また、栄養吸収率が高く、ビタミンB群やビタミンE、マグネシウム、鉄などのミネラル、酸化を防ぐ抗酸化物質が豊富なため、体調不良や病中病後、アトピー性皮膚炎などにもオススメです。
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マインドフルネス瞑想を続けるための秘訣とは?
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べています。前回は、「瞑想が生命力を高めるのに効果的な理由」について述べましたが、今回は「マインドフルネス瞑想を続けるための秘訣」について書いていきたいと思います。
前回の記事では座りながら行うマインドフルネス瞑想を簡単にご紹介しましたが、実は現在の瞬間瞬間に気づいていくためのトレーニングであるマインドフルネス瞑想はどんなシチュエーションでも応用が可能です。
例えば、歩いている間に、足裏の感覚に意識を集中させ。地面に右足が着いたら「右、右、右」、左足が着いたら「左、左、左」と実況中継していきます。
もしジョギングを行なっているのであれば、足の動きが早いので、右足に地面に着地したら「右」、左足が着いたら「左」と実況中継していきます。
しかし始めたばかりの頃は、気づいたら、誰かにメールを打たなければならないことや、夕食のことなど、様々な雑念が浮かんできてしまいます。
その際は、早めに雑念に気づき、「雑念、雑念、雑念」と心の中で唱えて、再び足裏の感覚の実況中継に戻っていきます。
この移動しながらのマインドフルネス瞑想は自転車をこいでいる間でも応用が可能です。
ただし、周りに注意が向かなくなるほど足裏に意識を集中しすぎるのは、事故の原因になるため、絶対に避けてください。
ジョギングやサイクリングの間も、五感で景色や風、音を感じてみる
また、ジョギングやサイクリングを行なっている間は、五感を働かせて目の前の風景や様々な音、吹いてくる風などを感じてみるのもお勧めです。
例えば森林公園のような場所を走っている時に、小鳥のさえずりが聴こえてきたら、「小鳥、小鳥、小鳥」や「さえずり、さえずり、さえずり」などと、サティ(気づきの言葉)を入れて実況中継していきます。
気持ちの良い風が吹きつけてくるのを肌に感じたら、「風、風、風」、木々の美しい緑が目に入ってきたら、「緑、緑、緑」など、なるべくシンプルに実況中継していきます。
また、例えばランニングしている間、自分の呼吸に感覚を向けながら走り、さらに、自然を感じるようにしても気持ちよいです。
森の中は日頃の喧騒を忘れ、マインドフルネス瞑想で自然そのものを感じる絶好の場です。
以上、マインドフルネス瞑想を続けるための秘訣について書いてきましたが、マインドフルネス瞑想は日常の様々なことに応用が可能ですので、ぜひマインドフルネス瞑想を実践し続けることで、これまで気づかなかった多くのことに気づいていってください。
瞑想が生命力を高めるのに効果的な理由
当ブログでは、腸内フローラ・酵素・ミトコンドリアによって生命力を高める方法について述べていますが、今回は「瞑想が生命力を高めるのに効果的な理由」について書いていきたいと思います。
ちなみに前々回の記事では「現代人にとって瞑想が必要な理由」について、前回の記事では「マインドフルネス瞑想の方法」について書きました。
今回はなぜ瞑想の効果は生命力を高めるのかについてですが、そもそも「生命力を高める」とはどういうことでしょうか?
当ブログでは「生命力を高める」とは、<わたし>という存在を構成している、およそ60兆個の細胞がイキイキとし、新陳代謝がスムーズに行われることだと考えています。
そして、そのことが生きていること自体が気持ちよいと感じられるような毎日を過ごすことにつながってくるのです。
また、そのためには、細胞内に生息しているミトコンドリアを中心に、酵素や腸内フローラの存在が重要になってきます。
反対に、もしミトコンドリアの元気がなくなったり、偏った食生活で酵素の働きを助けるビタミンやミネラルが不足したり、腸内細菌のバランスが乱れ、腸内フローラ(腸内細菌叢)の状態が悪化したりすると、新陳代謝が鈍ることでからだの調子は悪くなってしまいます。
そもそも新陳代謝とは?
ところで、普段私たちの身体を形作っているおよそ60兆個の細胞は、新陳代謝が行なわれることで常に作り換えられています。
特に新陳代謝が活発に行われるのは睡眠中ですが、実は、瞑想を行なうことも新陳代謝を促すのに有効なのです。
この新陳代謝(リモデリング)については、医学博士の西原克成氏が『免疫力を高める生活』のなかで、以下のように述べています。
ヒトの成体は、約六〇兆個の細胞で成り立っています。
かなり大ざっぱな言い方をすると、この六〇兆個の細胞が、それぞれ定められた速度で成長し、寿命がくると細胞分裂という形で二つに分かれ、一日に約一兆個の割合でつくり換えられています。
脳の神経細胞のように多数の枝を出したりする、極めて複雑な形をしている細胞は、それぞれのパーツが建物全体を修理していくようにリモデリングされます。
ということは、ほぼ六〇日で私たちの全身の細胞が新たに再生されていることになります。(より正確に言うと、臓器によって細胞の生まれ変わる周期が多少違い、骨は最長で九〇日間だと言われています)。
新陳代謝とは、まさにこの細胞のリニューアル、生まれ変わりのことです。
細胞がリニューアルするためには、栄養と酸素が欠かせません。(西原克成『免疫力を高める生活』p177)
瞑想は新陳代謝を促す
さらに瞑想に関しては、以下のように述べています。
睡眠中や瞑想中には、大脳新皮質のニューロンのミトコンドリアからα波が発生します。これは、ニューロンから発する錐体路神経系のインパルスがオフになり、ニューロン自身の新陳代謝のためのスイッチがオンになっていることを意味します。
したがって、瞑想にも睡眠と同じような細胞疲労の回復力があるのです。このとき、必ず頭を空っぽにするのがポイントです。
なぜなら、頭のなかであれこれ考えていると、大脳新皮質の神経細胞が活発に働いて骨格筋システムが作動してしまいますから。背中の筋肉がこってきて新陳代謝が妨げられるからです。筋肉がこると余分な力が入って血圧も上昇し、脳も内臓も疲労します。
反対に、たとえ眠らなくても、無念無想の瞑想状態になれば、筋肉もこらずにリモデリングされます。
このように、細胞の新陳代謝には、骨休めによる重力の解除と、大脳新皮質の筋肉支配の回路の解除という二重のオフ、すなわち、心身のリラクセーションが必要です。
(西原克成『免疫力を高める生活』p128~129)
西原克成氏がこのように述べている通り、頭を空っぽにし、リラックスしながら瞑想を行うことは、睡眠と同じような疲労回復効果が与えられると共に、細胞の新陳代謝も促されると考えられるのです。
冒頭で「生命力を高める」とは細胞がイキイキとし、新陳代謝がスムーズに行われることだと書きましたが、その細胞の新陳代謝に対して、瞑想は効果的に働きかけるのです。
しかし、新陳代謝を活発になるくらいの瞑想を行うには、頭で余計なことを考えるのを止め、頭を空っぽにしていかなければなりません。
瞑想のポイントは、頭のなかを空っぽにして、世界のあるがままをあるがままに感じること。
初めて瞑想を行なうのにオススメなマインドフルネス瞑想
しかし最初から頭を空っぽにしようとしても、瞑想に慣れないうちは、しばらくすると、頭に様々な雑念が浮かんできてしまいます。
そのため、瞑想によって睡眠と同じようなリラクゼーション効果を得られるようになるためには、毎日、地道に瞑想を行なうことによって、頭を空っぽにする時間を長く維持できるようトレーニングしていく必要があります。
そして、そのために有効な瞑想法が、前回の記事で取り上げた「マインドフルネス瞑想」なのです。